カルチャー

机の上のサイエンス。Vol.60

ラピスラズリ

2026年6月3日

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机の上のサイエンス。


photo: Akira Yamaguchi
text & edit: Shogo Kawabata 
2026年6月 950号初出

高価な天然顔料「ウルトラマリン」として愛された鉱物。

ラピスラズリはアフガニスタン産、チリ産、ロシア産のものも流通している。ミネラルショーや鉱物専門店で比較的入手しやすい。

 ラピスラズリは藍方石や方ソーダ石を主成分とする鉱物で、その深みのある青は「ウルトラマリン(海を越えてきた青)」と呼ばれ、中世ヨーロッパでは金よりも高価とされた時代があったほどだ。青色の正体は、構成成分に含まれる硫黄イオンによるものである。

 この石が特別視された最大の理由が、青い画材の原料となったことだ。細かく砕いて精製すると顔料が得られ、フェルメールもこれを惜しみなく使った。「真珠の耳飾りの少女」の青は、アフガニスタンから遠くヨーロッパへと運ばれたラピスラズリ由来で、その浪費が彼の財政難の一因ともいわれている。

 2026年2月には、新潟県糸魚川市の姫川支流で採集された石が、国産初となるラピスラズリであることが確認された。以前から地元の海岸で採集例はあったものの、外国産の持ち込みではないかと疑われ調査が進んでいなかった。しかし、外国産では見られない共存鉱物の組み合わせが、国産であることの根拠となっており、研究が進められている。