日本の国民的ヒーローといえばアンパンマンではないだろうか。子どもの頃からずっと知っているけれど、あんぱんや食べ物をモチーフにした理由がやなせたかしさん自身の戦争体験や飢えの記憶にあること、そして『アンパンマンのマーチ』にも深い思いが込められていることを知ったのは、ほんの数年前のことだ。
さらに、昨年のNHK連続テレビ小説『あんぱん』でやなせさんの人生にあらためて注目が集まり、アンパンマンがヒットしたのは70歳の頃だったと知ってそれまでの創作活動が気になった人も多いだろう。そんなタイミングで、初の大規模巡回展が開催される。
展示タイトル「人生はよろこばせごっこ」は、「人を喜ばせることが人間にとって一番うれしいこと」というやなせさんの言葉に由来するもの。原画約200点を中心に、「やなせたかし大解剖」「漫画」「詩」「絵本/やなせメルヘン」「アンパンマン」「epilogue 人生はよろこばせごっこ」の6つのテーマから創作の歩みをたどる。ノスタルジックな気分になる愛らしい作品の裏側にある思想や人生をこの夏あらためて知りたい。
「詩とメルヘン」1979 年 4 月号表紙絵「陽炎は春がくゆらすパイプのけむり」
©やなせたかし (公財)やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団蔵
「ボオ氏」「鳩とトビウオの巻」1967 年
©やなせたかし (公財)やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団蔵
インフォメーション
やなせたかし展 人生はよろこばせごっこ
会期:2026年6月30日(火)~9月6日(日)
休み:月曜日 月曜が祝日の場合は開館し、翌日休館
開館時間:10:00~18:00、入場、ミュージアムショップは閉館30分前まで
会場:世田谷文学館 2階展示室 東京都世田谷区南烏山1-10-10
入場料:一般1,500円、65歳以上・大学・高校生900円、中学生以下無料、障害者手帳をお持ちの方750円(ただし大学生以下は無料)、団体割引あり
Official Website
https://www.setabun.or.jp/exhibition/20260630-0906_yanasetakashi.html
「おとぎの国のモードをさがして/Fairy Tale MODE」に行く。
小さいころから読み聞かされてきたおとぎ話。昔は当たり前に眺めていたものだが、改めて読み返してみると、実は物語の中の「装い」もまた重要な構成要素だったことに気づく。例えば、赤ずきんの赤いフードに、ラプ...
「倉敷安耶:女が生まれて、女が死んで、——母の血、ワイン、チョコレート、アルコール、アルコール、アルコール」に行く。
正直、この個展の副題「母の血、ワイン、チョコレート、アルコール、アルコール、アルコール」の惹きはすごい。母本人の血なのか、それとも母から受け継いだ血を指すのか。そしてワイン、チョコレートの後に繰り返...
舟越桂 版画展「―ね、どこを見ているの?―」が気になる。
彫刻家・舟越桂は、彩色木彫の人物像で知られる一方、継続的に銅版画、木版画、リトグラフも制作していた。生涯を通して、人間存在を見つめ続けた舟越。その作品に描かれる人物は、こちらを見ているようでも、遠く...
堀道広 個展『たのしも』に行く。
夏の暑さにやられるこの頃。そろそろ楽しい気分になりたいなら、ここへ。本誌POPEYEはじめ、『おれは短大出』(青林工藝舎)、『金継ぎおじさん』(マガジンハウス)など、漫画家、漆職人として活動し「うる...
「ユザーンさん、新井孝弘さんの北インド古典音楽ツアー」に行く。
タブラ奏者のユザーンさんと、ムンバイ在住のサントゥール奏者・新井孝弘さんによる北インド古典音楽ツアーが今年も開催される。新井さんの一時帰国に合わせて2011年から毎年続いているツアーで、お寺、人気カ...