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『ルックバック』を観る。

是枝裕和(監)

©藤本タツキ/集英社 ©2026 K2 Pictures・集英社

 藤本タツキによる同名漫画を実写化したのは、『箱の中の羊』の記憶も新しい是枝監督だ。二人の少女、藤野と京本がコンビを組んで漫画家を目指すその原作の物語を、是枝監督はかなり忠実に実写へと昇華させている。ただし、実写ならではのよさももちろん見逃せない。例えば、小学校の卒業式の日に二人が初対面を果たし、京本に「ファンです」と告白された藤野が帰り道に踊るように走る姿を、いつ終わるとも知れない長回しで捉えたシーンの疾走感は、まさに実写ならではの快楽が詰まっている。そんな本作を通して改めて思い知らされたのは、この物語にとって、漫画制作を通して繋がる藤野と京本の親密な時間だけが大切であるということ。それは、藤野の母(野呂佳代)や彼女の小学校時代の担任(宮藤官九郎)の存在感が、だんだんと後景へと消えていく演出によっても強調される。原作もそうなっているとはいえ、「恋する相手」が物語に介入してこないのも、日本の青春映画としては新鮮だ。9月11日より公開。

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