カルチャー

机の上のサイエンス。Vol.30

オキナエビスの化石

2023年12月3日

バベルの塔のようなオキナエビスの化石。

オキナエビスの化石
かつてはプレウロトマリア属に分類されていたが、近年ニッポノマリア属という新属に分類された。金生山の黒色石灰岩は硬質で化石のクリーニングが非常に難しいが、この標本は表面のテクスチャーまで美しく出ている。¥440,000(ハンズ名古屋店10F地球研究室☎052·566·0109)

 岐阜県大垣市にある金生山は、もともと江戸期より石灰岩が採掘されていた鉱山であり、日本でも有数の化石産地としても知られる。ここには、古生代ペルム紀末期に起こった地球史上最大級の大量絶滅前後の地層が残っており、日本古生物学発祥の地とも呼ばれている場所だ。そんな金生山を代表する化石のひとつが、このニッポノマリア・ヨコヤマイ。「生きた化石」と呼ばれ、現在も生き残っている貝、オキナエビスの一種だ。現生種は10㎝程度だが、ニッポノマリアはかなり大きい。特に、金生山からは大型の化石が出ることで世界的に有名であり、ラグビーボールほどの個体もある。これは、大量絶滅直前のペルム紀が、生命の大繁殖時代を迎えており、非常に大型化した生物が多かったためだ。写真の個体は、ペルム紀後期の約2億5900万年~2億5200万年前の黒色石灰岩から掘り出されたもの。この種は、巻いている殻のエッジが立っており、まるでバベルの塔のような姿になるのが特徴的だ。