ライフスタイル

私のいえは、東京 山のうえ Vol.28

社本真里の隔週日記: 花粉

2023年3月13日

photo & text: Mari Shamoto
edit: Masaru Tatsuki

  山はスギの実がはじけて、花粉が舞っている。ジローさんは今年も木から煙が出ているようだと言っている。私の黒い車には、今年も黄色の粉がびっしりとはりついている。住んで8年になるが、毎年花粉の量にはゾッとする。

洗車してもすぐに汚れるので、ずっと花粉を乗せたまま走っている。大雨でも降らないだろうか…。

 小屋のベランダをほうきで掃くと、粉が舞い上がる。雑巾で拭くと裏が真っ黄色になっている。布団や洗濯物を外で干すのはゴールデンウィークくらいまではなるべく控える。外から帰ってきたらまずシャワーを浴びることも欠かさない。だけど症状は、〝軽くなっている〟気がする。

この時期の布団の干し方。テーブルと椅子が活躍する。

 大袈裟な、と言われるけど、小学生の頃から悩まされてきたスギ花粉の時期は、ティッシュが箱で手放せなかったし、 薬も飲んでいたけれど、今はほとんど飲まないし、ハンカチ一枚あれば事足りる。 純粋な花粉ではあまり症状が出ないということなのか? 花粉を浴びすぎて抗体ができたのか? 理由は分からないけど、ヨシコさんも会社のメンバーも軽くなったとか治ったとか皆そう言っているので、決して大袈裟ではない気がする。いつか完全に治る日が来るんじゃないかと期待している。

プロフィール

社本真里

しゃもと・まり | 1990年代生まれ、愛知県出身。土木業を営む両親・祖父母のもとに生まれる。名古屋芸術大学卒業後、都内の木造の注文住宅を中心とした設計事務所に勤め、たまたま檜原村の案件担当になったことがきっかけで、翌年に移住。2018年に、山の上に小さな木の家を建てて住んでいる。現在は村内の林業会社に勤め、山の素材の販売や街と森をつなぐきっかけづくりに奮闘している。