私のいえは、東京 山のうえ Vol.10
社本真里の隔週日記: 買いもの
2022.06.09(Thu)
photo & text: Mari Shamoto
edit: Masaru Tatsuki
山の上に住んでいると、買い物はどうしているの? と、聞かれることがある。大体週1程度、出かけるタイミングに合わせて隣町のスーパーに寄ることが多く、ちょっとした買い物は、村内に唯一のミニスーパーと昔からやっている商店で済ませている。

お店が家の近くにはなく、閉店時間も早いので、家で料理をしていてお醤油がきれてしまった時は、空いたジャム瓶を片手にご近所さんをたずねるのがいつもだ。おすそ分けやブツブツ交換もあるが、ご近所さん同士で自家製の食材を購入することも多い。味噌・キムチ・パン・コーヒー豆・ジャム、最近はケーキもある。コーヒー豆は、友人が自分の家の豆を焙煎をするタイミングで連絡をくれる。注文をして、焙煎が終わると再度連絡がくるので、瓶を持って家をたずねるというのが流れである。

加えてネットショッピングもよく利用している。荷物は届くの? と聞かれることもあるが、おかげさまで早いものだと翌日に届く。ただ、山の上への配達はやっぱり効率が悪いみたいで、配達の方は村内を車で走っている際に私の車を見つけるとハザードを灯し、助かりましたー! と言って荷物を持ってくきてくれることも多い。ドライバーさんが何度も山の上まで届ける必要がないように、自宅へ荷物を送るときは時間指定をしないことに決めている。

社本真里
しゃもと・まり | 1990年代生まれ、愛知県出身。土木業を営む両親・祖父母のもとに生まれる。名古屋芸術大学卒業後、都内の木造の注文住宅を中心とした設計事務所に勤め、たまたま檜原村の案件担当になったことがきっかけで、翌年に移住。2018年に、山の上に小さな木の家を建てて住んでいる。現在は村内の林業会社に勤め、山の素材の販売や街と森をつなぐきっかけづくりに奮闘している。