ライフスタイル

私のいえは、東京 山のうえ Vol.2

社本真里の隔週日記: 小屋に住む

2022年2月6日

photo & text: Mari Shamoto
edit: Masaru Tatsuki

 集落での暮らしの豊かさには日々驚かされた。 薪で入るお風呂は最高だったし、育てた大豆で作った味噌は格別で、お祭りの時期になると笛の音が頭から離れなくなった。

 そのうち仕事という立場で、地域のものごとに関わるのではなくて、そこに暮らす人になりたいと思うようになっていった。 ここの暮らしが面白いから、一度住んでみたいと相談したとき、ヨシコさんからかえってきた言葉は、「うちの2階空いてるわよ」だった。

ジローさんとヨシコさんの家。
居候部屋。
居候した部屋からの景色。

 国立市のアパートから荷物を運ぶのは、ジローさんが軽トラを出してくれた。 設計事務所の代表からは、引越し祝いに古いジムニーを譲ってもらった。

プロフィール

社本真里

しゃもと・まり |  1990年代生まれ、愛知県出身。土木業を営む両親・祖父母のもとに生まれる。名古屋芸術大学卒業後、都内の木造の注文住宅を中心とした設計事務所に勤め、たまたま檜原村の案件担当になったことがきっかけで、翌年に移住。2018年に、山の上に小さな木の家を建てて住んでいる。現在は村内の林業会社に勤め、山の素材の販売や街と森をつなぐきっかけづくりに奮闘している。