カルチャー
「ある意味、ダンス映画」と呼びたくなる珠玉の3作。
6月はこんな映画を観ようかな。
2026年6月1日
text: Keisuke Kagiwada
『the moment/ザ・モーメント』
エイダン・ザミリ(監)
2024年、チャーリーxcxがアルバム「brat」をリリースし、“ブラット・サマー”なる社会現象を巻き起こしたのはご存知の通り。その喧騒の裏側を、フィクションを交え、皮肉を込めて自嘲的に振り返ったのが本作だ。劇中に登場する監督は誰なのか、コラボクレジットカード騒動は何のメタファーなのか。あのアルバムにハマった人は全員必見。ちなみに、本作はチャーリーが立ち上げたプロダクション「Studio365」が手掛けた1作目。新曲「Rock Music」で「もうダンスフロアは死んだと思う。だから今、私たちはRock Musicを作っている」と歌ったチャーリーは、実際のところ、今、映画を作っている。6月5日より公開。
『急に具合が悪くなる』
濱口竜介(監)
© 2026 Cinéfrance Studios – Arte France Cinéma – Office Shirous – Bitters End – Heimatfilm – Tarantula – Gapbusters – Same Player – Soudain JPN Partners
高齢者向け介護施設でディレクターを務めるフランス人マリー=ルーと、演劇の公演で来仏した末期癌の日本人演出家である真理がパリで出会い、かけがえのない友情を築く。マリー=ルーはビルジニー・エフィラが、真理は岡本多緒がそれぞれ演じ、先のカンヌ国際映画祭において最優秀女優賞をダブル受賞した。実際、とても長い時間をかけ、ホワイトボードに図まで書いたりしつつ、資本主義の問題点について語り合う2人の姿は、素晴らしい。インテリ同士の議論とガールズトークが混じり合う、まるで未知なるダンスを目撃したかのような時間が流れているのだが、それは2人の存在感ゆえだろう。ところで、濱口監督は『ウルヴァリン:SAMURAI』を観て、岡本の起用を決めたそう。そういえば、あれも外国人監督が異国を舞台にして撮った作品だった。6月19日より公開。
『シラート』
オリベル・ラシェ(監)
© 2025 LOS DESERTORES FILMS, A.I.E., TELEFÓNICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U.,
FILMES DA ERMIDA, S.L., EL DESEO DA, S.L.U., URI FILMS, S.L., 4A4 PRODUCTIONS
モロッコの僻地の砂漠に、巨大なサウンドシステムが積み上げられていく。まず、このビジュアルの強さに心を鷲掴みにされてしまうのだが、レイブパーティが始まると明らかに場違いな中年男性が現れる。行方をくらませた娘を息子と一緒に探しているという彼は、次なるパーティを目指すレイバーについていくことに。そこからストイックなロードムービーになるのかと思いきや、待ち受けているのは度肝を抜かれること必至の唖然茫然騒然の展開だ。ぐれぐれもネタバレを確認せずに観ること! 6月5日より公開。
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