カルチャー
石若駿は『スター・ウォーズ /ジェダイの帰還 (エピソード6)』にジャズを感じた。
今日はこんな映画を観ようかな。vol.22
2026年5月28日
text: Keisuke Kagiwada
edit: Togo Uchida
毎週、1人のゲストがオリジナリティ溢れる視点を通して、好きな映画について語り明かす連載企画「今日はこんな映画を観ようかな。」。今回のゲストは、ジャズドラマーとして唯一無二の活動を展開する石若駿さん。新作『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が公開中の「スター・ウォーズ」シリーズの中から、「ジェダイの帰還」を紹介してくれた。
今日の映画
『スター・ウォーズ /ジェダイの帰還 (エピソード6)』
(リチャード・マーカンド監督、1983年)
帝国軍がより強力な第2デス・スターの建造を進めている中、反乱軍は総力を結集しデス・スターへ攻撃の準備を計画していた。一方、ルーク・スカイウォーカーは、邪悪な皇帝の前でダース・ベイダーとの最後の戦いに挑む。
最初に観た「スター・ウォーズ」は、「ジェダイの帰還」でした。たぶん金曜ロードショーかなんかじゃなかったかな。まだ小さかったから、物語を全部理解していたわけじゃありません。だけど、ライトセーバーや戦闘機の音とか、ダース・ベイダーの呼吸音とか、とにかく“音”と綺麗な“ビジュアル”に圧倒された記憶があります。そこから4、5と遡って観ましたが、一番好きなのはやっぱりエピソード6。旧三部作の最後というだけあって、クライマックスに向けての盛り上がりがすさまじいから、何度観ても飽きません。
あと今改めて観返すと、やっぱりジョン・ウィリアムズの音楽がすごい。オーケストラの使い方自体は意外とシンプルなのに、テーマが流れた瞬間、その人物の感情や背景まで一気に立ち上がってくるんですよ。レイアがルークの妹だと明かされるシーンの音楽なんて、もう彼女の存在そのものと結びついてます。それ以外にも、どのシーンでどの音楽を配置するかっていうことが綿密に練られていて、そもそも作戦にまつわる映画ではありますが、音楽の使い方にも作戦があるように感じられました。
ストーリーに関していうと、まずクワイ=ガン・ジンというジェダイのマスターがいて、そのパダワン(弟子)がオビ=ワン・ケノービ、さらにその下にアナキンつまり後のダース・ベイダーと、その息子であるルークがいる。そうやって受け継がれていくフォースの物語として、自分は受け止めていると思います。ジャズもまた継承文化で、トランペッターでいえば、ルイ・アームストロングがいて、ディジーガレスピーがいて、マイルス・デイヴィスがいて、ウィントン・マルサリスがいて、ロイ・ハーグローヴがいて、アンブローズ・アキムンシーレがいる。この人はこの人から影響を受け、ここは継承されて、時代と共にここは失われつつも重要な発展を遂げる……みたいな物語が、ミュージシャンごとにあるってところは、ジェダイのマスターとパダワンの関係に近いのかなと。もちろん、自分もその中にいると意識したいですが、正統な流れも意識しつつも、ハミだしたりもしてしまうので、「俺はアナキンかも」って思ったりしたりしなかったり(笑)
ジャズの即興演奏をしていると、時々“フォース”の存在を実感する瞬間もあるんですよ。何も決めずに始めたのに、全員が同じことを考えていたかのように音が噛み合って、目に見えない力を感じる瞬間が。誰にでも、登場人物の立場や置かれた状況を、自分と強く重ね合わせられる観られる映画があると思うんですよ。自分の場合、『スター・ウォーズ』がそういう作品なんです。
語ってくれた人
石若駿
いしわか・しゅん|ドラマー、打楽器奏者。1992年、北海道生まれ。自身のプロジェクトとしてAnswer to Remember、 SMTK、Songbook PROJECT、石若駿トリオを展開する傍ら、椎名林檎、星野源など数多くのライヴ、作品に参加。MUSIC AWARDS JAPAN 2026にて、最優秀ジャズアルバム賞に石若駿トリオ『Live at ALFIE”Temporal Cubic”』がノミネートされた。
Instagram
https://www.instagram.com/shun_ishiwaka/
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