香水の匂いや音楽から記憶がふと蘇ることがあるけど、初夏の空気もまた、かつて有ったか無かったかわからない恋の記憶を呼び起こしてくるような気がする。蒸し暑さが気になってきたら、素敵なラブ・ロマンス映画にどっぷりと浸かる合図だ。
そんな恋に恋するシティボーイ&ガールにこそチェックしてほしいのが、日本の近現代におけるロマンチック・コメディ映画が綴った恋の軌跡を辿ったこの展示。トーキーの採用など、映画界が技術的革新を遂げていく中、取り上げる恋愛模様もさまざまな広がりを見せたようだ。例えば、新婚夫婦が抱える日常の葛藤と喜び、都市文化のなかで花開くモダンガールの恋模様、戦中の抑圧から解き放たれた若者の自由恋愛、さらに型破りなヒロインを軸に展開する恋の顛末……。時代に翻弄され、恋心に狂わされた、当時の若者のドラマチックな感情の一つひとつが華やかなビジュアルやテキストとともに紐解かれていく。これは、今年の自由研究のビッグなテーマになりそうだ。
インフォメーション
千変万化する恋 日本のロマンチック・コメディ映画の輝き
会場:早稲田大学演劇博物館2階 企画展示室Ⅰ・Ⅱ・特設ギャラリー(東京都新宿区西早稲田1-6-1)
会期:2026年5月15日(金)~8月2日(日)
時間:10:00〜17:00(火、金は19:00まで)
休み:7月1日(水)、15日(水)
料金:無料
Official Website
https://enpaku.w.waseda.jp/ex/21407/
ムーンストラック・カルティベーション vol.2「『図案』の森に潜る 近代日本の視覚文化アーカイヴ逍遥」に行く。
POPEYE Webシニアエディターでもある編集者の井出幸亮さんが立ち上げたリアルイベントプロジェクト「Moonstruck Cultivation(ムーンストラック・カルティベーション)」。芸術/...
『パンク・ガーデニング宣言 エコロジカルで型破りな庭園論』を読む。
フランスの造園家エリック・ルノワールが提唱する「パンク・ガーデニング」は、人間本位で植物にとっては地獄でしかない「美しい庭」という考え方にまず反旗を翻す。そして、完璧な管理をあえて手放し、植物本来の...
『はいつくばって』を読む。
ミランダ・ジュライによる2冊目の長編小説だ。主人公はジュライ自身を彷彿とさせる45歳の女性アーティスト。とある小旅行をきっかけに、中年期特有の人生の悩みに振り回される彼女の姿が、夢みがちであるが故の...
『ルックバック』を観る。
藤本タツキによる同名漫画を実写化したのは、『箱の中の羊』の記憶も新しい是枝監督だ。二人の少女、藤野と京本がコンビを組んで漫画家を目指すその原作の物語を、是枝監督はかなり忠実に実写へと昇華させている。...
『オデュッセイア』を観る。
原作は古代ギリシャの吟遊詩人ホメロスの同名叙事詩だ。「トロイの木馬」作戦によってトロイア戦争に勝利したオデュッセウスたちが、妻と息子が待つ故郷イタケへの帰還を目指す10年に及ぶ果てしない旅路を、監督...