カルチャー

映画館で涼みながら観てワクワクドキドキしたい3作。

8月はこんな映画を観ようかな。

2026年8月1日

『ドラマなふたり』
クリストファー・ボルグリ(監)

© 2026 Dramatic Movie Rights LLC. All Rights Reserved.

 カフェでエマにひと目惚れしたチャーリーは、おっかなびっくりナンパを決行するが、彼女はノーリアクション。お呼びでないのかと思いきや、実は彼女、片耳が難聴で聞こえなかっただけだった。エマの提案でナンパを“やり直し”たことにより結ばれた2人は今、結婚式を直前に控えている。ところが、エマのある秘密が発覚し……。出会いのシーンで示唆されるように、テーマは失敗したリアルを、ドラマとして“やり直し”できるかどうか。詳細は語らずにおくが、それは哲学者スタンリー・カヴェルが1930〜40年代のハリウッドラブコメを通して見出した「再婚喜劇」の現代バージョンだ。8月21日より公開。

『左利きの少女』
ツォウ・シーチン(監)

©2025 LEFT-HANDED GIRL FILM PRODUCTION COMPANY LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

 一組の家族が台北に引っ越してくる。やつれきった表情の母は夜市で飲食店を開業し、勝気な長女は檳榔屋で働き、5歳の次女は幼稚園に入園する。しかし、新生活は順風満帆とはいかない。家父長制が根強い台湾の古い因習が、さらに追い打ちをかけてくる。左手は悪魔の手だして、左利きを止めるよう祖父から言われた次女が巻き起こす想像もそのひとつだ。そんな彼女たちの悲喜こもごもを、iPhone 13 Pro Maxによる白飛び上等の軽やかな映像が捉えるスタイルは、まるでアジア版ショーン・ベイカー。それもそのはず、監督はベイカー作品のプロデューサーなどを務めてきた人で、本作にはベイカーがプロデューサー、脚本、編集でクレジットされているんだから。8月14日より公開。

『ナイトシフト』
ロビーナ・ローズ(監)

Nightshift © Cinenova

 ミュージックボックスにコインが投入され、あたりに音楽が響き渡ると、顔を真っ白に塗った1人の若い女性が、ロンドンのホテルで受付係としての夜勤を開始する。1981年に撮られた本作は、まるでホーンテッドマンションのような、霊的な妖しさすら漂わせるその空間で、黙々と仕事に従事する女性が、朝になりシフトを終えるまでをストイックに映していく。注目すべきは、セックス・ピストルズ結成の地『SEX』の元従業員であり、UKパンクのアイコン的な存在でもあったジョーダンが、この女性を演じていること。他にも、ペンギン・カフェ・オーケストラのサイモン・ジェフスが音楽を手掛けているなど、70年代後半に終息したパンクムーブメントと、80年代後半に産声を上げるYBA(少し前に国立新美術館での展示が話題になった)の間の真空地帯を埋めるUKサブカルチャーの手触りが、感じられる作品だ。8月22日より公開。

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