私の小屋のある集落は標高が650mあるので、梅雨のこの時期、雨が続くとすっぽりと雲の中に入ってしまう。(10m先がみえないような、霧の中)雨が上がった時には、雲が自分より下に見えることもある。なので、東京のマチュピチュなんてことを言う人もいる。

ただここのところ、雨が降らない。6月でこんなに暑い日が続くのは初めてかもしれない、と地元の人も言っている。森林に囲まれた檜原村では、夏でも比較的涼しく過ごしやすいというのが通年だけれど、今年は変な暑さだ。地面はカラカラで、歩けば砂ホコリが立つ。植物のたちも「?」な様子で、梅の木は小さい実のまま(急に熟して)ポタポタと地面に落ち始めている。

山の中で暮らしていると、季節のおとずれに敏感になる。動物や鳥や虫の声、風の匂いや、木々の彩りが季節を知らせてくれるので、春夏秋冬だけではなく何十種類にも季節が細かく分かれているようにも感じる。
ジローさんと、新緑の季節の頃、緑が綺麗になって来たねーなんて話をしていた時、山の緑の中に一瞬シルバー(新芽の産毛の色が遠くからだとシルバーに見えるそう)が混ざるタイミングがあると教えてくれたことを思い出した。

今年は梅雨がどこかへ行ってしまったようで、寂しく感じている。