カルチャー

時代を築いた男たちの語りがクセになる3冊。

4月はこんな本を読もうかな。

2026年4月1日

text: Keisuke Kagiwada

『骨の記憶 ジョン・ルーリー回想録』
ジョン・ルーリー(著) 齊藤弘平(訳)

 これは事件だ。1980年代のニューヨーク文化系界隈における最重要人物、ミュージシャンで俳優で画家でもあるジョン・ルーリーの自叙伝が邦訳されてしまった。バスキア、ウォーホル、デヴィッド・バーン、ポール・オースター……と登場人物も超豪華。もちろん、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』をはじめ、ジョンを俳優として起用したジム・ジャームッシュの話(大半な恨み言)もてんこ盛り。しのごの言わずに読むっきゃない。¥5,280/国書刊行会

『80年代90年代、新しい日本映画の始まりと終わり──その裏側』
山田耕大、高鳥都(著)

『家族ゲーム』『私をスキーに連れてって』『木村家の人びと』など、20世紀末の日本を代表する作品を手掛けた映画プロデューサー、山田耕大の回顧録。『必殺シリーズ秘史』の高鳥都を聞き手に迎えて語られるのは、タイトルの「その裏側」という言葉にも現れているように、映画史の知られざる「裏話」だ。まさか森田芳光監督の『家族ゲーム』の主役に、サザンオールスターズの桑田佳祐を起用しようとしたなんて! ¥2,420/かや書房

『幸せな結末 大滝詠一ができるまで』
萩原健太(著)

 音楽評論家の萩原健太が、「死後公開」の約束のもと、ミュージシャンの大滝詠一に対して三日三晩泊まり込みでロングインタビューを決行したのは1991年8月のこと。大瀧が亡くなり10年近くの歳月が流れた今年、封印が解かれたその内容が、一冊の本としてまとめられた。軽妙洒脱な語り口で明かされるのは、知的好奇心が旺盛すぎる大滝の半生だ。シティボーイの虎の巻になること間違いなし。何度でも読み直したい。¥1,925/文藝春秋