花や植物を主なモチーフに、半透明のグラシン紙に⽔彩やコラージュを施した作品や、エンコスティックと呼ばれる蜜蝋画の手法を使った作品を制作するアーティストの今村文さん。本展では、2015年に愛知県美術館で開催された展覧会「芸術植物園」で初発表された「赤い花」を主なモチーフとした「温かい家」シリーズを中心に作品が展示され、彼女の有機的で生気に満ちた独自の世界が広がる。
会場には、シリーズのさまざまな大輪の花が壁一面にずらりと並ぶ。ひとつずつ作品を観ていくと、赤い花の枝葉や根は臓器や毛細血管を想起させ、鑑賞者はまるで身体の中にいるような感覚になる。今村さんの制作への影響の一端に、⽇本の解剖学者・思想家である三⽊成夫の「心は脳に宿るのではなく、内臓に宿るのだ。」という言葉があるというが、まさに彼女の絵は言葉にし難い不思議な身体とのつながりを感じさせる。
心の在り所が、絶えず休むことなく動く内臓にあるという考えを発端に制作を進めてきた今村さんだが、3年前には出産を経験。さまざまな心や体の変化があったという。このことをきっかけに、今は心が頭にあるわけでも、内臓にあるわけでもなく、「私を包んでいる世界全部に、紅茶の染みのようにじんわりあるんじゃないだろうか」という考えに至ったそうだ。本展にて追加で発表される「温かい家」シリーズは、そんな彼女の“変化”が反映されている。他にも、同シリーズが発端となった〈コム デ ギャルソン〉が展開する〈tao〉の2026年春夏コレクションや、ギャラリー空間全体へと展開される20点以上の新作も並ぶので、ぜひ足を運んでみよう。
インフォメーション
温かい家 -my red flowers-
会場:CAVE-AYUMI GALLERY(東京都新宿区矢来町114 高橋ビル B2)
会期:2026年3⽉7⽇(⼟)〜 4月12日(⽇)
時間:12:00〜19:00
休み:水、木
Official Website
https://caveayumigallery.tokyo/FumiImamura_TheWarmHouse_2026
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