カルチャー
世界で一番雑誌が集まるロンドンの「HY MAG」へ潜入。
2023年11月5日
![雑誌アーカイブルーム](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/10/DMA-_MG_9322-1-1600x1073.jpg)
個人で集めてきた膨大なコレクションをみんなにシェアするワケ。
「雑誌はその時代を生きた人の知識の宝庫なんだ」。情熱的にそう語るのは、ギネスブックが「世界で最も雑誌を所蔵する場所」に認定したロンドンの“カルチュラルラーニングセンター”、「HY MAG」を運営するジェームス・ハイマンだ。
![ジェームス・ハイマン](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/10/80fa3c62a94f1cfc7ecb9a89da682ac1.png)
『MTV UK』でスクリプトライターとして働いていたジェームスは、面白いナレーションを執筆するための参考資料として雑誌収集を開始したという。かくして集まったのは1万冊超。「世界にはさまざまな素晴らしいモノやコトがあり、雑誌はそれらのことを網羅している。雑誌をキープすることによって誰かにそれらの情報を共有できる」と考えた彼は、2017年に「雑誌を通じて色々な歴史、文脈、ムーブメント、人物を学べ、それがさらに広がっていくような場所」として「HY MAG」を立ち上げた。今では寄付も含めて実に5万冊以上を所蔵し、クリエイターやアカデミシャンが、インスピレーションやネット上では拾えない情報を求めて訪れる場所に。
最近、世界的に雑誌の休刊が相次いでいるけど、これからの雑誌に必要なものってなんだろう。最後にそう問うと、「フィジカル、デジタル、スピリチュアルの融合が大切になってくると思う」とジェームス。「紙のページをめくる楽しみ(フィジカル)があると同時に、オンライン上で誰でもどこでもアクセスできる利便性(デジタル)もあって、『ワオ!』と唸れる多様な文脈や想像を超える記事と写真とデザインの融合があること(スピリチュアル)。その条件を兼ね備えた雑誌は、今後も残っていくんじゃないかな」
![雑誌](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/10/COLORS.png)
〈ベネトン〉が1991年から発行している『COLORS』は、ジェームスのお気に入り。「時代ごとの社会問題に肉薄した特集、そしてファッションとしても素晴らしい写真と、グラフィックやタイポのバランスもセンス抜群」とのこと。
![雑誌](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/10/BLUES-SOUL.png)
1967年創刊の『Blues & Soul』は音楽の雑誌。取り上げる音楽の情報量は多く、質も高い上、写真はファッション誌に引けをとらないくらい強い。昔のミュージシャンの服装がいかに時代に影響を与えたのかも感じることができる。
![雑誌](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/10/The-New-Yorker.png)
『The New Yorker』は、ジェームスが世界で一番好きな雑誌で、今でも毎週欠かさず購入しているそう。いわく、「色々な角度でモノを見て、考える土台にもなった大切な雑誌。毎号のカバーも時代を象徴しているよね」。
![雑誌](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/10/loaded.png)
「UK雑誌史上屈指の発想がクレイジーな一冊」と豪語する、2000年1月発売の『loaded』ミレニアム号。モハメド・アリをはじめ、なんと表紙が100種類もある。「どうやって印刷や流通をしたのか当時の担当者に聞いてみたいよ」
![雑誌](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/10/FORTEAN-TIMES.png)
世界中で起こった奇妙な現象や出来事、研究、面白いニュースを掲載する月刊誌。UFOやモンスターなど非日常的なことを本気で取り上げたりある人に起こった奇妙な出来事を報告したり、ぶっ飛んだ内容で毎回楽しめる。
![雑誌](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/10/The-TATLER.png)
1850年に刊行されたイギリスのファッション雑誌『The TATLER』は、所蔵している中で最古のもの。セレブリティの装いからゴシップネタまで網羅されている。当時の上流階級はこうしたものから、トレンドなどを把握していた。
インフォメーション
HY MAG
事前に目的を連絡し、予約日までに関連する雑誌を用意しておいてもらうというシステム。アーカイブルームに入るにも事前予約が必要。料金が発生するが、依頼内容によって金額は異なる。
Instagram
https://www.instagram.com/hymag_/
関連記事
![特集「BOOKWORM’S DELIGHT 本をめぐる冒険。」](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/10/c9ff73b9932bc62a9c44f9c3affbfdf5-1600x1082.jpg)
カルチャー
特集「BOOKWORM’S DELIGHT 本をめぐる冒険。」
NO.919
2023年10月5日
![本棚のある部屋っていいね。](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/10/1006_YVON_01-1-1600x2399.jpg)
カルチャー
本棚のある部屋っていいね。
『Yvon Lambert』オーナー・イヴォン・ランベールの本棚
2023年10月15日
![【#1】ON THE ROADERS 〜LA to Joshua Tree〜](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/10/IMG_4927.jpg)
トリップ
【#1】ON THE ROADERS 〜LA to Joshua Tree〜
執筆: 〈Bong Sadhu〉Taikou Kaneda
2023年10月17日
![No.18 イタリア発のメールアート雑誌『Arte Postale!』と『ブラック・マウンテン・カレッジ』の話。](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/06/Vol.4-1600x1600.jpg)
カルチャー
No.18 イタリア発のメールアート雑誌『Arte Postale!』と『ブラック・マウンテン・カレッジ』の話。
BOOK STACKS Vol.4:雑誌編
2023年6月30日
![ソウルの雑誌のことが知りたくなって。](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/06/a11b4bb3ba448d1fa402ac3dc62cc91f.png)
カルチャー
ソウルの雑誌のことが知りたくなって。
SEOUL CITY GUIDE POPEYE 915 2023
2023年6月27日
![雑誌『Subsequence』本日発売。](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2022/07/IMG_8589-1600x1067.jpg)
カルチャー
雑誌『Subsequence』本日発売。
2022年7月23日
ピックアップ
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/07/BAOBAO_fin_v2.gif)
PROMOTION
〈BAO BAO ISSEY MIYAKE〉のバッグとピザと僕。最高の“三角”関係。
2024年7月8日
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/07/a98b1120712ae2558c294773114e59b3-750x750.jpg)
PROMOTION
〈DAMD〉の車に乗って、僕らしいひとり旅をカスタム。
DAMD
2024年7月8日
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/07/1x1.jpg)
PROMOTION
〈adidas Originals〉とシティボーイの肖像。#5
Tohma Picaulima(21)_『Cosmos Juice Tomigaya』Staff
2024年7月16日
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/05/01-1-750x1131.jpg)
PROMOTION
夜にかける〈IZIPIZI〉のサングラス……?
IZIPIZI
2024年7月5日
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2024/07/hh_01_1080x1080-750x750.jpg)
PROMOTION
もしものときの「118」。ドコモと〈ヘリーハンセン〉が広める、安全なマリンライフ。
2024年7月15日