カルチャー
どんなに寒くても劇場に足を運んで観るべき3作。
2月はこんな映画を観ようかな。
2026年2月1日
text: Keisuke Kagiwada
『トゥギャザー』
マイケル・シャンクス(監)
心機一転すべく山奥に引っ越してきた倦怠期のカップルが、ハイキングの最中に不穏な穴の中に落ちたことで、なぜか体がくっつき始めてしまうというボディホラー。愛し合う2人が1つになる。エモいラブソングの歌詞で歌われそうな出来事だが、それはあくまで比喩的な意味。じゃあ、本当に起きたらどうなるか。描いてみたのが本作だ。主演のアリソン・ブリーは、プロデューサーも手掛けている。『ホース・ガール』『彼女の面影』など、ブリーは自身が製作にも関与した作品に出演する際、物語的な必然性があるとは思えないのに、いつも”あること”をしがちな役者だが、本作でもやっぱりやっていた。しかし、結末のネタバレになってしまうので、気になる人はその目で確かめられたし。2月6日より公開。
『ブゴニア』
ヨルゴス・ランティモス(監)
ネットの陰謀論に洗脳されてしまったらしいテディは、純朴な従弟のドンを従え、製薬会社のやり手経営者ミシェルを拉致監禁する。テディいわく、ミシェルは地球を侵略するエイリアンだというが、彼女には身に覚えがない。そんな中、ティディの母と彼女の製薬会社をめぐる過去が明らかとなり……。いかにもランティモスらしい視点で現代社会を風刺した作品だが、実は2003年の韓国映画『地球を守れ!』のリメイクで、物語は意外なほどオリジナルに忠実。大きく異なるのは、本作では警察による捜査パートが削られていることか。それも含め、地球の未来を左右する出来事なはずなのに、政府がまるで介入してこないのが興味深い。政府より大企業の方が悪に見えるというのが、現代的なのだろう。2月13日より公開。
『センチメンタル・バリュー』
ヨアキム・トリアー(監)
©2025 MER FILM / EYE EYE PICTURES / LUMEN / MK PRODUCTIONS / ZENTROPA ENTERTAINMENTS5 APS / ZENTROPA SWEDEN AB / KOMPLIZEN FILM / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ARTE FRANCE CINÉMA / FILM I VÄST / OSLO FILM FUND / MEDIEFONDET ZEFYR / ZDF / ARTE
『私は最悪』で話題になったヨアキム・トリアー監督&レナーテ・レインスベ主演コンビの再タッグ作。今度のテーマはズバリ、家族だ。ノルウェーで活躍する女優ノーラの前に、幼い頃に家族を捨てて以来、長らく音信不通だった映画監督の父が姿を現す。父は久しぶり新作となる自伝的映画の主演をノーラに打診するが、彼女はまったくやる気がない。ほどなく、アメリカ人の人気女優レイチェルがその役を演じることになるが……。結果として、不仲の家族間にさらなる波紋を起こすことになるレイチェルを、エル・ファニングは演じている。ヨーロピアンな雰囲気の中で異物になるしかない彼女の戸惑いが、そのまま画面に刻まれているかのようで印象に残った。2月20日より公開。
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