カルチャー

花粉を華麗に交わしながらカフェで読みたい3冊。

2月はこんな本を読もうかな。

2026年3月2日

text: Keisuke Kagiwada

『男と女とチェーンソー 現代ホラー映画におけるジェンダー』
キャロル・J・クローヴァー(著) 小島朋美(訳)

『悪魔のいけにえ』をはじめ、スプラッター映画でなぜか最後に生き残る女子としての”ファイナルガール”に着目しつつそのフェミニズム的な可能性も示唆し、一説にはタランティーノが『デス・プルーフ』を作る上で大いに参考にしたと言われる伝説の映画論が、原初刊行から30年以上のとき経てめでたく初邦訳。これは読むっきゃない。晶文社/¥3,300

『きっと誰かに話したくなる名作映画のエピソード300』
リュドック(著) 坂本千春 (訳)

 例えば、『ファイト・クラブ』のマーラ(主人公とねんごろになる謎の女)の電話番号と『メメント』のテディ(物語のキーマン)の電話番号が、まったく一緒の”555-0134”であるとか、飲みの席でほんのちょっと盛り上がりそうなネタの宝庫。本ではそこまで踏み込んでないが、この事実から同じく記憶喪失というか”自分探し”をめぐる『ファイト・クラブ』と『メメント』を比較してみるとか、批評のタネ本としても使えそう。¥2,530/フィルムアート社

『生きものは遊んで進化する』
デイヴィッド・トゥーミー(著) 梅田智世(訳)

 巷では市川市動植物園でサルの人形を肌身離さず持ち歩くニホンザルのパンチ君が話題だが、彼のごとくある種の”遊び”に講じる動物を通して、生物の秘密に肉薄したのがこちら。生きとし生けるものにとって、遊ぶことは最重要事項なんだ! ¥2,475/河出書房新社