カルチャー

机の上のサイエンス。Vol.39

ウッドオパール

2024年9月3日

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机の上のサイエンス。


photo: Akira Yamaguchi
text & edit: Shogo Kawabata
2024年9月 929号初出

珪化木化したオパールの神秘的な標本。

珪化木の割れ目から光り輝く未知の存在が誕生してきそうな、神秘的な標本。サイズは13㎜。オーストラリア、クイーンズランド州コロイト産。参考商品。(ジェムストーリー www.gemstory.com

 樹木の化石である「珪化木」。普通、樹木は分解されてなくなってしまうが、たまたま地中に埋まったものが化石化することがある。まず周囲の圧力によって地下水などに含まれる珪酸などが細胞の中に入り込み、これが二酸化珪素となって化石化するのだ。さらに、その二酸化珪素が水と混じり合って偶然オパール化することもある。そんな偶然が重なって生成されるのが、このウッドオパールである。こうして1㎝のオパールが形成されるのに、約500万年の月日がかかるともいわれている。オパールは二酸化珪素と水が混ざり合い固まっていく過程でできた「粒子」が集まっている状態で、他の鉱物のように元素同士が結びついて結晶化しているわけではない。そのため、この粒子がプリズムのような役割を果たし、光をそれぞれで反射するのだ。この粒子のサイズによって色が変わり、小さいものから紫、青、緑、黄、オレンジ、赤となる。赤の粒子まで成長するのは稀なため、赤を発色するオパールは非常に高価なものとなる。