小林椋さんは、1992年生まれの作家であり、POPEYEでも度々お世話になっている『out of musuem』の店主・小林眞さんの次男でもある。本展「且ん凡ん目ん、あと皿(しょんぼんめん、あとぼん)」は、そんな小林さんの最もピュアな一面が作品に現れた展示かもしれない。2014年から2025年までに制作されたいくつかの立体作品が中心に展示されているのだけど、これらは実態として明確な目的や機能を持たずに、動きも何も目指さずに作られたもの。うねる稜線や歪んだ楕円、緩やかな台座といった造形要素もまた何かに由来するように見えるが、その出自は明言されていない。これぞ「オブジェクト」と呼ぶしかない佇まい。紐解いてみると、かつて展覧会という時間の中で意味づけられ、あるいは無意味として放置された「箱」だと表現する。「意味」という枠組みから飛び出し、無作為に並べてみることで、自身が無意識に繰り返してきた手癖や、9年間の反復の中で少しずつ変化してきたかたちの差異が浮かび上がるとも。
展示空間では、オブジェたちが自律的に動き、ときに音と映像を交えて互いに応答し合う特別な環境が出現するらしい。鑑賞だけじゃなく、訪れる人を体験と発見の循環へと導く。情報過多の昨今、たまには意味を見出そうとせずに、頭を空っぽにして感性をガンガン揺さぶられてみようじゃないか。
インフォメーション
小林椋 展「且ん凡ん目ん、あと皿」
会場:GASBON METABOLISM(山梨県北杜市明野町浅尾新田12)
会期:8月8日(金)~9月8日(木)
時間:11:00〜17:00
休み:火・水・木
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