刑期を終えた中年の白人男が絶望的な表情で牢獄を後にする。男はサウスブロンクスで黒人ギャングを束ねる顔役、フランク・ホワイトだ。やがて彼は、絶望的な表情のまま、警察も巻き込んだ麻薬ビジネスをめぐる戦争に参戦することになるだろう。興味深いのは、彼がその間、ほとんど”外”に出ないこと。有刺鉄線の張り巡らされた牢獄から車でまず向かうのが、同じくらい頑丈そうなゲートに閉ざされた家なのは象徴的だ。ある建物の中にいたかと思えば次のカットでは別の建物の中にいる彼が(移動シーンがあったとしても車や地下鉄の中)、その肌を外気に晒すシーンは劇中でほとんどない。そればかりか、警察と壮絶なカーチェイスを繰り広げて車が大破した後、1人だけなぜか忽然と姿を消してしまうことすら。世界それ自体が窮屈な牢獄で、囚われの身である彼は外に出ることを禁じられているかのよう。だからこそ、その後に待ち受け……あとは言わぬが花でしょう。8月22日よりシネマート新宿ほかにて全国順次公開。
5月第3週の「TODO RADIO」を聴く。
呉屋慎吾「En Route by ALBUM」/グランド・イリュージョン ダイヤモンド・ミッション/Hotdog in the Ocean TAMAKI IWAO/97歳セツの新聞ちぎり絵 原画展/ど...
福岡の街を、名作椅子を探して歩く。
“Chair Expedition”と名付けられたユニークなイベントが、5月15日から始まる。2024年に逝去したインテリアデザイナー永井敬二氏の膨大なコレクションから選ばれた20脚の名作椅子が福岡、...
呉屋慎吾「En Route by ALBUM」に行く。
インディペンデント・マガジン『.OWT.』を手がけるほか、本誌『POPEYE』をはじめ、ファッション、広告、建築などの分野でも多岐に渡り活躍する写真家・呉屋慎吾さんによる個展が開催中だ。ダイナー、工...
『マテリアリスト 結婚の条件』が気になる。
ジェントルマンな金持ちか、貧乏だけど夢に向かって生きる俳優志望か。恋愛における古典的な二者択一を迫られる婚活カウンセラー、ルーシーをめぐる王道のロマンチック・コメディ。そういえば、監督のソンは前作『...
『スマッシング・マシーン』を観る。
”サフディ兄弟”名義をジョシュと解消したベニーが、にもかかわらずジョシュの『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』と同じく、日本が重要な役割を果たすアスリート映画を作ったのは偶然なのか必然なのか。そん...