カルチャー

机の上のサイエンス。Vol.57

ムオニオナルスタ

2026年3月3日

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机の上のサイエンス。


photo: Akira Yamaguchi
text & edit: Shogo Kawabata 
2026年3月 947号初出

グラフィックデザインのような構造を持つ隕石。

ウィドマンシュテッテン構造を示す隕石としては、ナミビアで発見されたギベオンもよく知られている。現在、輸出規制がされているムオニオナルスタはミネラルショーなどで入手可能だ。

  ムオニオナルスタは、スウェーデン北部ラップランド地方で発見された鉄隕石だ。1906年に初めて確認され、「ムオニオナルスタ」という名称は発見地近くを流れるムオニオ川に由来。分類上は鉄隕石の一種で、オクタへドライトとして知られている。主成分は鉄とニッケルで、切断・研磨後に酸でエッチング処理を施すと、ウィドマンシュテッテン構造と呼ばれる規則正しい幾何学模様が現れる。この構造は、母天体である小惑星内部で、1℃冷えるのに数百万年を要するほどの極めてゆっくりとした冷却過程を経て形成されたものであり、地球上の人工的環境では再現不可能といわれている。形成されたのは約45億年以上前と推定され、太陽系形成初期の情報を現在に伝える貴重な物質である。また、その構造美から標本やジュエリー、アートピースとしても人気が高い、宇宙の深い時間を内包した美しい隕石だ。