ライフスタイル

車を2台持つ、ってどう?

僕の好きなクルマ。

2026年4月30日

好きな車はどこにある?


photo: Shin Hamada
text: Koji Toyoda
2026年5月 949号初出

 山梨県韮崎市で家具の製作を行う〈PANG HOUSE〉のパン・コーリーさんは、ホンダのエレメントと日産のラシーン フォルザの2台持ち! しかも、どちらもなかなかお目にかかることのないレアな日本車だ。「車を買うにあたって義理の父に相談したら日本車にしたら? とアドバイスをもらって。調べてみると、’90~’00年代の日本車は、デザインのユニークさと使い勝手の良さ、メンテナンスのしやすさが外国車と比べると段違いに良かったんだ。でも、まさか2台所有するとはね」。そうなった理由は、東京から山梨に移住し、仕事の幅が広がったことが大きいとか。軽やかな日常の選択肢として車を自由に扱う暮らしが、なんだか羨ましい。

HONDA ELEMENT — 2004

engine – 2,000cc
price – ¥1,900,000
mileage – 60,000km
fuel-efficiency – 10km/L

 家具や木材の運搬用に愛用するのが、ホンダのクロスオーバービークル、エレメント。2001年にホンダが開発したコンセプトカー・モデルXの市販型で、主にアメリカで販売されたUSDM車だ。「日本人には珍しいけれど、外国人の僕には身近で、昔から興味のあったモデル。見てのとおり大きいけれど、室内もスペーシャスな作りで荷物がたくさん載って便利なんだ」。3mのサーフボードを収納できることを初期コンセプトに掲げていただけあって確かに大きい! いまだに色褪せないフューチャリスティックなルックスも最高だね。

エレメントの個性を語るに外せないのが観音開きのサイドドア。前席のドアを開けると、後席のドアも開く仕組み。後部座席にアクセスするのは少し手間がかかるが、大きな荷物を側面から搬入するにはとても便利。

後部座席を倒せば、荷物室は広々。これなら木材もバッチリ入る。ちょこんと載るのは、〈パンハウス〉のオリジナルチェア。かわいい!

NISSAN RASHEEN FORZA — 1998

engine – 2,000cc
price – ¥1,000,000
mileage – 110,000km
fuel-efficiency – 10km/L

 エレメントが仕事用なら、こちらの日産 ラシーン フォルザは普段使いの車。’90年代の名ホットハッチ、ゴルフMK2に似たプロポーションに惹かれてゲットして以来、趣味と日常のシーンにはもっぱらこっち。「狭く、整備されてない田舎道を走るのにもこの一台はバッチリ。コンパクトだから小回りも利くし、天気の良い日はサンルーフを全開にして山道を駆るのも最高なんだ!」。しかし、“ラシーン”といえども、僕らが想像するチャーミングな一台とはちと異なる。聞けば、1998年に派生したスポーティモデルみたい。これは知らなかった!

ハンドルは、イタリアの老舗ステアリングメーカー〈ナルディ〉。クラシックな佇まいは、丸い計器が並んだコクピットにピッタリ。

後ろ斜め45°からのシェイプがパンさんの萌え角度。あ、なるほど、ゴルフっぽいね!

クリーム色のファブリックシートもセンス抜群。この辺には、僕たちの知るラシーンらしさが垣間見られる。

オーナー

車を2台持つ、ってどう?

パン・コーリー(35)

〈PANG HOUSE〉デザイナー

「気分でスニーカーと革靴を履き替えるみたいに車を乗り換えられるからね。車好きにはこの上ない幸せさ」。