シティボーイってなにか? これはよく聞かれることですが、ひと言で言い当てるのはなかなか難しい。ひとつのファッションスタイルと見られている節もあるけれど、おしゃれはたぶんシティボーイのひとつの要素ではあっても、それだけじゃないですよね。いつも何を着るか考えている人より、何を着ていてもその人らしさが立つほうが素敵だと思うから。
『POPEYE』の創刊号にはこんな一文があります。「都会に住んでいる人なら、一週間も街を離れるともう、あの空気が恋しくなってしまうでしょう」。
まさにそのとおり。僕らも編集部のある銀座の街が大好きだし、東京の暮らしをなんだかんだ楽しんでいます。たまには旅に出るのも楽しいけれど、やっぱり街のネオンが恋しくなるものです。つまり、シティボーイとは文字どおり都会の暮らしを楽しめる人のことだと思うのです。そして、無限のチョイスがある中で、好奇心の赴くままに自分に必要なコトやモノを上手にエディットして取り入れていくことができる人のことだと言っていいと思います。
今回、ファッション、ライフスタイル、タウンガイドと大きく3つのカテゴリーにわけて、いまの僕たちが「これはシティボーイだ」と思った知識や情報を集めてみました。「シティボーイならこうするね」、といった考え方のようなものも含まれています。カテゴリーごとに担当の編集者を立てたので、まとめ方にも個性が表れているように思いました。特にライフスタイルは、「POPEYE WEB」チームが担当しているのも普段と違うところです。編集部全体が関わり、思い思いのシティボーイ像を1冊にまとめたのがこの号です。通常号の倍近くある特大ボリュームなので、自分が面白い、試してみたい、と思う情報をピックアップするように拾い読みしてくれたら嬉しいです。 ぜひ50周年号を楽しんでください。
では、各カテゴリーの担当にバトンを渡して見どころを語っていってもらいましょう。
FASHION
バトンを受け取りました。「Whole City Boy Catalog」はファッションの企画からスタートします。これはもちろん、ファッションがシティボーイにとっていちばん大事だからではなくて。いやいや、どんな服や靴を身につけるかは、僕たちの生活の大切なテーマはあるはず。けれどそれはきっと、街のいろんなところにふらりと立ち寄って、友達と遊んだり、デートしたり、スポーツしたりする時に欠かせない、気の利いた佇まいが好きだから。
つまりシティボーイのファッションは、都市を自由に楽しみ、生活を心地良くするためのもの。服のことばかり考えたいわけじゃないし、都市と生活がそんなに変わらなければ、服もシューズも大きくは変わらない。というわけで、3つのカテゴリーに分かれた「Whole City Boy Catalog」のファッションは、いつもの服、つまりワードローブから。
Almost Always
いつもだいたい着ている服
シティボーイのワードローブといえば? すぐにイメージはできる。オックスフォードのシャツ、チノパン、ジーンズ、Tシャツ、スウェットシャツ、フーディ、クラシックな白のスニーカー。秋になったらセーター、冬ならダッフルコート。こんな感じ。 いっぱいあるようで、そんなにないような。いつも僕たちが着ている服について、いつもよりちょっとたくさん考えてみたらカタログになった。50年間ずっと好きだったものとか、も。
Be a Man (Not a Boy)
いつかは大人になるのだから
いつまでもボーイでいるわけにはいかないね。とはいえ年を重ねれば自動的に、先輩たちのような大人になれるわけでもないし、背伸びをして大人なフリをするのも違う。きっと必要なのは成熟のありかたや、楽しみかたを考えいくこと。つまり大人になる準備をちゃんとすること。例えば普段着としてのスーツとか、ネクタイのシンプルで粋な結び方とか、革靴の奥深さ、世界の名店、服を受け継ぎ捨てないこと、装いを豊かにする言葉とか。
Consider the Occasion
スポーツとか季節とか旅とか
都市に暮らすからこそ、シティーボーイは旅にも出るし、スポーツもする。その時、どんな服を着ているか? とはいってもワードローブからがらりと大きく変わったりはしないような気がするのだよね。例えばポロシャツはずっと着ているし、ヘビーデューティなものもずっと好きだし。夏にスキーのことを考えるのもずっと変わらない(およそ50年前から!)。でも例えば、ジョグがトレイルランになったり、街で水浴びしちゃうのは2026ならではかも。
というわけで、見慣れたような、見慣れぬような、シティボーイのファッションをたっぷりと。そしてバトンはライフスタイルへ!
LIFE STYLE
どんなオシャレな格好をしていても、混んでいる店でダラダラしてたり、世間話のネタがSNSだけではシティボーイではない。
静かに、ゆっくり、深く。自分の趣味を持って、人のスタイルを否定せず、心地よく日常を過ごすための術を100個以上隠し持っている。たぶん、そんな人がシティボーイだ。
LIFE STYLEカテゴリーでは、そんなふうに生きてくために知っておくとひょっとしたら役に立つかもしれないことを集めてみた。
Cultural Studies
自分なりに日々リサーチして体系化している知見が2つや3つあって、 気の合う仲間に出会ったときにシェアしたりしなかったり。テーマは映画、お笑い、音楽、天気、科学なんでもいい。そこにゴールも見返りもない。ただ好奇心を満たすための勉強。世界中の古いコトも新しいコトも観て、聴いて、読んで、毎日過ごしている。そんな仲間たちと作った、ここ最近学びたいことの話。
Just Try It
「知っている」と「やったことがある」で意味がまったく違うことは、
やってみて初めて腑に落ちたりする。いつも買っているものを作ってみよう。観戦しているスポーツをプレイしよう。友人や先輩の勧めがあれば、まずは何も言わずに試してみよう。挑戦と失敗の数が多ければ多いほど、人に優しくなれるはずだから。とりあえず、モカシンとフライパンでも作ってみない?
About a “Style”
映画はなるべく映画館で観る、1日1回はお茶をする、食事中は携帯を見ない、近所の本屋に通う、メモは手書き、電車はなるべく各駅停車、瓶ビールは小さなコップで、紅茶は大きなマグカップ……。他人にはどうでもいいけど自分にとっては大事なルールがいくつもあるのがシティボーイ。僕らがいま大切にしていることを考えてみた。
TOWN GUIDE
3つめのカテゴリー「TOWN GUIDE」は、その名の通り、東京を中心とした街ガイドのパートです。都会の暮らしを楽しむのが上手な人というのは、つまり街をよく知っている人のことだと思います。日曜日の朝においしいサンドイッチが食べたくなったとき、気の利いたレターセットが必要になった時、食器を新調したいとき、新しい音楽を知りたいと思った時。自分なりにピンとくるお店や場所がすぐに頭に浮かぶ人は、きっとシティボーイだと思います。それに、ただお店を知っているだけじゃなく、いつ誰とどんな風に使うといいか、という “自分なりの楽しみ方”が見つけられると、東京という街はどんどん面白くなっていくはずです。このカテゴリーでは、ポパイ編集部の好きな街や、たくさんの行きつけのお店、そして僕らなりに街を楽しむためのちょっとしたアイデアを紹介しています。気になる場所があれば、実際に足を運んで、自分なりの東京の地図を広げていってもらえると嬉しいです。
Good Food. Good Day
いい1日は、おいしいものから。
街をよく知るには、街をよく歩くこと。そして、そのためには腹ごしらえが欠かせません。ポパイが最初に食の特集を作ったのは、1980年の4月25日号。表紙は巨大なハンバーガーのイラストでした。では、近年作った食の特集はというと、「カレー」「サンドイッチ」「ピザとスパゲッティ」「ハンバーガー」「ホットドッグ」「ドーナツ」と、50年経った今でも変わらず炭水化物とファストフード好きは健在。そんなポパイの大好物と、僕らがずっと通いたい、大好きな東京の飲食店をまとめたのがこちらのパート。連載「味な店」でお馴染みの平野紗季子さんや、平松洋子さんのエッセイにもぜひご注目ください。
From Corner to Corner
すみずみまで歩こう。
ポパイ編集部のある街・銀座の地図から始まるこちらは、僕らの好きな街と、その街の歩き方についてのパート。新しい服が欲しくなったら? 部屋に置く家具を探したいなら? この週末どこに出かけようかと悩んだなら? ここを読めば、たいていの悩みは解決すると言ってもいいくらい、たくさんのスポットをぎっしりと詰め込みました。シティボーイがチェックするべき1年分のイベントをまとめたページなんかもあるので、とりあえず手元に置いておいて、予定がない日にパラパラらめくる、なんて使い方もおすすめです。
Know Your Town’s History
時には歴史を振り返る。
ところで、この50年間の歴史の中で、僕ら「ポパイ」は、ホームタウンである東京の街をどんなふうに取り上げてきたのでしょうか? 創刊以来の東京特集を読み返し、ポパイの目線で東京の歴史を見つめなおしたのがこのパート。東京にはほとんど目もくれずに海外の文化を追いかけていた70年代に、バブルに翻弄された80年代、そしてギャル男化して夜遊びに励む90年代と、時代ごとのポパイのキャラクターの変化も見どころです。
Go Places, See Things
海外でしたい100のこと。
知らない街へ出かけ、未だ見ぬカルチャーに出会うこと。そしてそのための冒険心を持つことは、きっとシティボーイにとって大切なマインドのひとつ。それは当時ほとんど知られていなかった西海岸の若者文化を伝えた創刊号以来、世界のさまざまな都市を特集してきたポパイの重要なエッセンスでもあります。特集の最後を飾るこのパートは、ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、ロンドンというポパイと縁の深い4つの街で、今、僕らがしたいことをまとめた「旅のしおり」です。キャリーケースに入れて旅のお供にするもよし、クーラーの聞いた部屋で読んで旅気分を味わうもよし。自由に楽しんでください。
インフォメーション
POPEYE 2026年7月号「Whole City Boy Catalog」
今回、ファッション、ライフスタイル、タウンガイドと大きく3つのカテゴリーにわけて、いまの僕たちが「これはシティボーイだ」と思った知識や情報を集めてみました。「シティボーイならこうするね」、といった考え方のようなものも含まれています。カテゴリーごとに担当の編集者を立てたので、まとめ方にも個性が表れているように思いました。特にライフスタイルは、普段は紙媒体を手がけない「POPEYE WEB」チームが担当しているのも普段と違うところです。編集部全体が関わり、思い思いのシティボーイ像を1冊にまとめたのがこの号です。普段の号の倍近くある特大ボリュームなので、自分が面白い、試してみたい、と思う情報をピックアップするように拾い読みしてくれたら嬉しいです。 ぜひ50周年号を楽しんでください。
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