ライフスタイル
無地Tみたいなセダン。
僕の好きなクルマ。
2026年4月25日
好きな車はどこにある?
photo: Shin Hamada, Naoto Date(Primera Camino)
text: Koji Toyoda, Fuya Uto (Primera Camino)
2026年5月 949号初出
日本は4ドアセダン大国。セドグロやクラウン、サニーにローレル、ランサー、ビガー……。挙げればキリがないほどに様々なクラスの車種を生み出してきた。でも、こんなにたくさんあるのに、その大半が街を走っていても「オッ」とはまずならない。いい意味で地味なルックスが最大の特徴だろう。ここに登場するプリメーラ・カミノや7代目ブルーバードのオーナーも、それを「なんだか落ち着く、いい車なんです」と表現する。それもそのはず、’80~’00年代の国産大衆セダンは見た目以上に、走りや乗り心地における快適性をとことん重視しているからだ。自分にピッタリな無地Tのように、この手の車はいつまでも手放せないマイ・ベーシックになりうる。
NISSAN BLUEBIRD — 1985
車を愛するドライバーに向けたファッションブランド〈H2C〉を手掛ける田所剛さんの愛車はもちろん国産のスポーツカー? と思いきや、予想外に’85年に造られた日産のミドルサイズセダン、7代目ブルーバード。思わず、「なぜ?」と言葉が漏れるが理由は単純。まるで上質なコットン生地で編んだ無地Tの如き存在感だとか。40年以上経過しても青い鳥は若者に幸せを運ぶ。
ブルーバードといえば、古い国産車好きには、SSS(スーパースポーツセダン)グレードが有名だが、こちらはファミリー向けの「エレガント」シリーズ。子供との長距離移動を視野に入れているから、なんと助手席がフラットに倒れるびっくりな仕様! ちなみに田所さんがもっとも萌えるポイントは、テールランプのデザインらしい。
オーナー
田所 剛(24) 〈H2C〉デザイナー
「外装も内装も含めて、無駄なノイズが少ないから運転に集中できるのが一番の魅力なんです。そんな匿名性の高いノーマルな佇まいながらも、実は走りも機能性もピカイチ」。
NISSAN PRIMERA CAMINO E-P11 — 1997
シンプルだけど、よく見ると日本車離れした流麗なボディラインで、その内側には名機と謳われる4気筒エンジン・SR18が鎮座。’90年代に日産がヨーロッパ向けに輸出していたモデルで、控えめな顔とは裏腹に、その走行性は折り紙付き。持ち主の翔君はそんな“欧州の品”に惚れ込みファーストカーに。街や風景に溶け込む、気負わないクルマが心地いい様子だ。
2024年の春に納車してから、少しずつ内外装をカスタム中。ステアリングは〈イタルボランテ〉の「コルサ スーパー」をチョイス。大荷物もなんのその。「リアシートにはトランクスルーも装備され、長物も積めます」
ホイールは「盗まれてもなるべく凹まず、でも納得するものを」という考えからリーズナブルな日産の「NISMO」に。
オーナー
中嶋 翔(28) ビデオグラファー
「ボディも一見グレーに見えますが、ソニックシルバーと呼ばれる純正色。光の当たり方で表情が玉虫色に変わるんです。同い年のコイツを手放す未来は今のところ見えないですね」。
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