TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#1】何屋さんですか?と聞く前に。

執筆:植田浩平

2026年6月11日

「ここは何屋さんですか?」入店直後にそう聞かれても「ええと……まあ、見たままですが」と返すので精一杯。こんなに沢山の本があって、目の前にもドーンと積まれてるわけで、見りゃわかるだろうと思うのだけど、どうやらそうでもないらしい。いわゆる新刊書店にしたら小さいし、古本屋に比べると色が多い。専門店ほどではないとはいえ、レコードやカセットテープ、CDもそれなりに置いてある。人によってはレコード屋、雑貨店だと思うこともあるかもしれない。

 でもまあやっぱり、どう考えたって本屋なのである。店主に訊ねる前に、まず、自分の目で店内を見てほしい。「たぶん、ここは本屋だな。それも、おそらく古本屋なんだろう」と知覚できるはずだから。「それにしてはレコードが多いし、さっきから大きな音で音楽が流れてて、不思議だな」と感じたなら、音源で気になるものを探してみたらいい。100円で買えるCDがあれば、3000円を超えるレコードもあるけれど、ピンときた1枚を選べばいいのだ。それを持ってレジに来てくれたときに、ようやく話が始められる。

「こういうの好きなの?」「いや、なんとなく気になって」「へー! これは大分変わった音楽だけど、聴いてみると面白いかも」「そうなんですか!」なんてやり取りができれば、まずは第一歩。次に来て、別の何かを買ってくれれば、また話せる。「こないだのどうだった?」「いやーちょっとわからなかったです……」「そっかー、でもそれも大事な経験だよ」とか話せれば、店主はキミの顔を覚えるだろう。道端やコンビニで見かければ「どもー」っと声をかけるはず。

 ピープル・ブックストアは本屋なのだ! と書きたかったはずなのだが、どうも話がズレてしまった。とりあえず、大事なのは聞く前に自分で考えること。気になったものは買ってみること。それだけ覚えてくれれば嬉しいです。

プロフィール

植田浩平

うえだ・こうへい|1983年、千葉県生まれ。’91年に茨城県つくば市に引っ越し、中学から高校時代を送る。大学入学とともに転出するも卒業後にUターン。CDショップ勤務やイベント制作補助などのアルバイトを経て2013年4月、筑波大学に隣接する天久保地区に『PEOPLE BOOKSTORE』を開店。今に至るまで営業を続けている。

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people-maga-zine.blogspot.com/

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instagram.com/peoplebookstore/

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