『映画にとって音とはなにか』を初めて読んだ日の衝撃は今でも忘れられない。捉えどころがないと思っていた「映画の音」を、ここまで具体的かつ刺激的に分析することが可能なのかと、”耳”からウロコが落ちたものだ。同じ著者によるこちらは、『映画にとって音とはなにか』の続編的な一冊。さまざまな監督の作品を通じて、映画の声の創造性を思考していくのだが、俎上には日本が誇る巨匠・溝口健二まで載せられるのだから、襟を正して読むっきゃない。¥4,180/フィルムアート社
『パンク・ガーデニング宣言 エコロジカルで型破りな庭園論』を読む。
フランスの造園家エリック・ルノワールが提唱する「パンク・ガーデニング」は、人間本位で植物にとっては地獄でしかない「美しい庭」という考え方にまず反旗を翻す。そして、完璧な管理をあえて手放し、植物本来の...
『はいつくばって』を読む。
ミランダ・ジュライによる2冊目の長編小説だ。主人公はジュライ自身を彷彿とさせる45歳の女性アーティスト。とある小旅行をきっかけに、中年期特有の人生の悩みに振り回される彼女の姿が、夢みがちであるが故の...
『ルックバック』を観る。
藤本タツキによる同名漫画を実写化したのは、『箱の中の羊』の記憶も新しい是枝監督だ。二人の少女、藤野と京本がコンビを組んで漫画家を目指すその原作の物語を、是枝監督はかなり忠実に実写へと昇華させている。...
『オデュッセイア』を観る。
原作は古代ギリシャの吟遊詩人ホメロスの同名叙事詩だ。「トロイの木馬」作戦によってトロイア戦争に勝利したオデュッセウスたちが、妻と息子が待つ故郷イタケへの帰還を目指す10年に及ぶ果てしない旅路を、監督...
『ワンオペレーション』を観る。
中年女性のリンダには、原因不明の病を抱える一人娘がいる。しかし、長期出張中の夫を頼ることはできない。どころか、たまに電話がかかってきたかと思えば、彼女の不手際を難じるばかりだ。そんな八方塞がり状態に...