フード

醤油、砂糖、お酒でつくる豚きんぴら丼。

どのみち毎日食べるから。Vol.16

どのみち毎日食べるから。

artwork: Ryuto Miyake
photo: Kazuharu Igarashi
cooperation: Yu Kokubu

2024年10月2日

 生きているかぎりどのみち毎日触れ合う料理。自らの手でおいしく作れる知恵があれば、これからの人生、楽しくなるはず。このポッドキャストは料理家の土井光さんに、自分や家族が毎日食べて「あぁ、オイシイ」としみじみ感じる料理を教えてもらう番組。特別なテクニックも食材も不要。10分前後の音声を聴けば誰でも作れるメニューばかりだから、近所のスーパーに向かう道中にでも聴いてほしい。第十六回は、醤油、砂糖、お酒でつくる豚きんぴら丼。

「きんぴらと豚の照り煮をご飯にのせた、シンプルなのっけ丼です。」(土井光)

MEMO

材料は豚バラとごぼう。調味料は醤油、砂糖、お酒、鷹の爪と仕上げの胡椒のみ。

5.6cmの長さに切って千切りにする。ささがきでもOK。ちょっと長めに切ると歯応えと見栄えがよくなる。

大さじ1の油で炒める。

辛いのが好きな人はこのタイミングで鷹の爪を入れる。

しんなりしてきたらお酒、醤油、砂糖を大さじ1ずつ入れて引き続き炒める。

照りが出てきたら少し強火にして煮絡めて完成。さっと仕上げるとごぼうの食感が残ります。

豚バラはブロックを用意すると自分の好きなサイズにカットできるので便利。今回は1cmくらいに切っていく。

豚バラを下茹でする。匂いや汚れをとるイメージで。

お湯だけ捨てる。

醤油大さじ1、砂糖大さじ1、お酒大さじ2を加えて、煮絡めていく。

最後に水分を飛ばしながら少しだけ煮詰める。

仕上げに胡椒をかける。

盛り付ける。できた瞬間がフワフワした食感で美味しい。煮絡めるときに八角を入れたり、食べる直前に山椒をかけても良い。

完成!

POPEYE

ご飯に馴染む甘辛い豚バラと牛蒡を味わい。醤油、砂糖、お酒という超オーソドックスな調味料の偉大さに気がついた。この組み合わせで、だいたいの食材は「おかず」になるのではないか。思えば、丼を作るときはタレ的なものに頼っていたけれど、常に台所にあるこの3つを使って、鷹の爪や八角を加えたりしたら立派な料理になるわけだ。慣れてくると甘さや辛さを自分好みにカスタムできるのも助かる。そして、このメニュー、実はたんぱく質、食物繊維、炭水化物をすべて摂れているという優れものなのだ。

プロフィール

醤油、砂糖、お酒でつくる豚きんぴら丼。

土井光

どい・ひかる|1991年、大阪生まれ東京育ち。東京の女子大学卒業後、フランスリヨンにある『L’institut Paul Bocuse』にてフランス料理とレストランマネージメントを2年半学ぶ。フランス三つ星レストラン『Michel GuérardとTroisgros』、リヨンにある老舗チョコレート店『Bernachon』に勤める。在仏7年。帰国後、父である料理研究家土井善晴の事務所、おいしいもの研究所でアシスタントとして勤務。料理デモストレーションのフランス語通訳やフランスと日本文化を繋ぐイベント参加なども行う。趣味はマラソン。

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