フード

どのみち毎日食べるから。

Vol.4 唐揚げ

2023年9月21日

artwork: Ryuto Miyake
photo: Kazuharu Igarashi
cooperation: Yu Kokubu

 生きているかぎりどのみち毎日触れ合う料理。自らの手でおいしく作れる知恵があれば、これからの人生、楽しくなるはず。このポッドキャストは料理家の土井光さんに、自分や家族が毎日食べて「あぁ、オイシイ」としみじみ感じる料理を教えてもらう番組。特別なテクニックも食材も不要。10分前後の音声を聴けば誰でも作れるメニューばかりだから、近所のスーパーに向かう道中にでも聴いてほしい。第四回は超スタンダードな唐揚げの作り方。

「油の温度はだんだん温かくするほうが鶏もびっくりしないので、柔らかく揚がります」(土井光)

MEMO

唐揚げ材料

材料は鶏モモ500g、小麦粉、片栗粉。調味料は醤油、酒、塩、にんにく、生姜。超シンプル。

鶏モモ肉をカット

皮目を下にしてハミ出ている余分な皮は切り取り、一口サイズに切る。大きい唐揚げを食べたければ大きく切る。

塩をいれる

ボウルに醤油と酒(目安は大さじ2)、塩(目安は小さじ1)を入れて漬ける。

にんにくとしょうがをする
くりんくりんでしょうがを集める

にんにくとしょうがを一片擦る。「くりんくりん」という器具があるとかき集めやすくとっても便利。

小麦粉を大さじ4加える

小麦粉を大さじ4くらい加える。

汁気がなくなるまで混ぜる

水分がなくなるくらい混ぜる。

片栗粉をまぶす

最後に別容器に入れたおいた片栗粉をまんべんなくつける。丁寧に全体に纏わせることでカリッと仕上がる。

冷たい油に鶏肉をいれる

フライパンに鶏肉が半身浸かるくらい油をいれる。火をつけない状態で皮目を下にして鶏を入れる。

中火で揚げる

中火で揚げる。タイミングを見てひっくり返す。唐揚げをひっくり返す回数はトータル2,3回にとどめる。

最後はグッと強火にする

最後のほうで温度をグッとあげてカリカリに仕上げる。

唐揚げを取り出す

いけるなと思ったら火をとめて、唐揚げを取り出していく。

唐揚げ完成カット

完成!

POPEYE

POPEYE

人気がありすぎる故にグランプリが開催されたり、個性的な味になったり、アイドルのような立ち位置になっている唐揚げ。なにが正解がわからなくなってきた今日この頃、今回食べた超スタンダードな醤油味こそが、唐揚げの記憶の原点であり、おそらく最も多くの人が「うまい!」と思う真ん中の味だった。意外だったのは冷めた油に鶏肉を入れて揚げるという調理法。「人間もいきなり熱いお風呂に入ったらびっくりしますよね。それと同じで、油の温度はだんだん温かくするほうが鶏もびっくりしないので、柔らかく揚がるんです」と土井さん。妙に説得力がある言葉通り、完成した唐揚げはカリッとしながらとっても柔らかい。揚げ物料理特有の緊張感も皆無だし、過去イチ作業工程が少ないし、なによりおいしいし、この作り方は本当に助かる。

プロフィール

土井光

どい・ひかる|1991年、大阪生まれ東京育ち。東京の女子大学卒業後、フランスリヨンにある『L’institut Paul Bocuse』にてフランス料理とレストランマネージメントを2年半学ぶ。フランス三つ星レストラン『Michel GuérardとTroisgros』、リヨンにある老舗チョコレート店『Bernachon』に勤める。在仏7年。帰国後、父である料理研究家土井善晴の事務所、おいしいもの研究所でアシスタントとして勤務。料理デモストレーションのフランス語通訳やフランスと日本文化を繋ぐイベント参加なども行う。趣味はマラソン。

Instagram
https://www.instagram.com/hikaruuud/