フード

Vol.5 小麦粉ではなく野菜が主役のお好み焼き。

どのみち毎日食べるから。

2023年10月21日

artwork: Ryuto Miyake
photo: Kazuharu Igarashi
cooperation: Yu Kokubu

 生きているかぎりどのみち毎日触れ合う料理。自らの手でおいしく作れる知恵があれば、これからの人生、楽しくなるはず。このポッドキャストは料理家の土井光さんに、自分や家族が毎日食べて「あぁ、オイシイ」としみじみ感じる料理を教えてもらう番組。特別なテクニックも食材も不要。10分前後の音声を聴けば誰でも作れるメニューばかりだから、近所のスーパーに向かう道中にでも聴いてほしい。第五回は野菜を存分に味わえるお好み焼きのレシピ。

「小麦粉はほんの少しだからローカロリー。混ぜすぎないのが一番のポイントです」(土井光)

MEMO

材料はキャベツ、万能ねぎ、長芋、ちくわ、紅生姜、豚ロース、卵、水200ml、小麦粉90g、鰹節。ねぎは香りが強い九条ねぎがオススメだけど、長ねぎや万能ねぎでも良い。今回は2人前の分量。

調味料はソース、マヨネーズ、からし、鰹節、青のり、レモン。

キャベツをざく切りに。みじん切り一歩手前くらいのサイズ。

万能ねぎを細かく切る。

ちくわを薄く切る。

紅生姜を細かく刻む。

長芋を擦る。長芋を余らせたくない人は多めにいれて、その分、水の量を減らすという手もある。

鰹節を投入。本来は出汁を準備するが、鰹節と水を入れることで鰹出汁の役割になる。

水を200ml入れる。

卵を2個いれる。

最後に小麦粉90gを入れて混ぜる。想像より全然少ない印象。そして、混ぜすぎないのが一番のポイント。写真のように少し小麦粉が残るくらいがベスト。

豚ロースを弱火で焼く。

2枚分の分量をざっくりと4等分しておき、まず1/4を入れる。

その上に豚ロース2枚をのせる。

さらに、その上に1/4の分量をのせ、蓋をして弱火と中火のあいだで10分ほど待つ。

火が通ったらひっくり返して、10分ほどゆっくり待てば出来上がり。2枚目も同じ手順。

完成!

POPEYE

POPEYE

“こなもん”という通り名のとおり、小麦粉を食べる料理という感覚があったお好み焼き。しかし、この作り方において、小麦粉はあくまで脇役。実際に入れる量もかなり少なく、一口食べるとキャベツの甘み、ちくわや紅生姜の塩味、鰹節の風味がダイレクトに伝わってくる。これなら自分なりに色々な食材を入れてハーモニーを楽しめそうだ。土井さんが、味噌汁、チャーハンと並び、余っている具材を放り込んでおけばなんとかなる類の料理と称していたのも納得!

プロフィール

土井光

どい・ひかる|1991年、大阪生まれ東京育ち。東京の女子大学卒業後、フランスリヨンにある『L’institut Paul Bocuse』にてフランス料理とレストランマネージメントを2年半学ぶ。フランス三つ星レストラン『Michel GuérardとTroisgros』、リヨンにある老舗チョコレート店『Bernachon』に勤める。在仏7年。帰国後、父である料理研究家土井善晴の事務所、おいしいもの研究所でアシスタントとして勤務。料理デモストレーションのフランス語通訳やフランスと日本文化を繋ぐイベント参加なども行う。趣味はマラソン。

Instagram
https://www.instagram.com/hikaruuud/