カルチャー

2月はこんな映画を観ようかな。

2024年ベストになる可能性大な3作。

2024年2月1日

『Here』
バス・ドゥヴォス(監)

Here
©︎ Quetzalcoatl

2010年代以降にデビューした最重要監督の1人、バス・ドゥヴォス。自身が暮らすベルギーのブリュッセルを舞台にした本作では、建設現場で働くルーマニア人のシュテファンと苔類研究者シュシュの人生が交わるほんのひとときが、ステファンの拵えるスープのようにじっくりコトコト綴られる。ハラハラする展開はない。にもかかわらず、全編通して優雅な時間が途切れないのは、日常の何気ない立ち居振る舞いを、まるで苔類を顕微鏡で見るかのように拡大し、かけがえのない美しさを見出そうとする姿勢ゆえ。同時公開される監督の前作『ゴースト・トロピック』も傑作なので、併せてご覧あれ。2月2日より公開。

『夜明けのすべて』
三宅唱(監)

夜明けのすべて
© 瀬尾まいこ/2024 「夜明けのすべて」製作委員会

PMSに悩む藤沢とパニック障害の山添が職場で出会い、互いに助け合う姿が、いわゆる”難病もの”とは段違いの繊細さで描かれる。だけど最も感動したのは、職場の社長を光石研さんが、今は亡きその弟を斉藤陽一郎さんが演じていること。明らかに故・青山真治監督作を意識していた配役じゃないか。そう考えると、職場でPMSを発症した藤沢をケアする社員たちの阿吽の呼吸は『サッド・ヴァケーション』だし、斉藤さんが声の出演のみなのは『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』でしょう。極め付けはラストシーンだが、それは観てからのお楽しみ。そして、バトンは渡された! 2月9日より公開。

『ダム・マネー ウォール街を狙え』
クレイグ・ギレスピー(監)

ダムマネー
© 2023, BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.

2021年、アメリカのビデオゲームショップ、ゲームストップ社の株価が、一時的に急騰するという事件が起きた。仕掛けたのは、株の配信チャンネルを運営するキース。ゲームストップの株の空売りで大儲けを目論むヘッジファンドの動きを察知した彼は、個人投資家たちにむしろ購入するよう呼びかけたのだ。かくして、ひとつの大手ヘッジファンドは大損害を被るハメに。持たざる者たちが協力して、セコい金持ちたちにひと泡吹かせるというストーリーは痛快という他ないが、驚くべきはこれが実話だってこと。ときにこんな奇跡が起こるんだから、世の中捨てたもんじゃない。2月2日より公開