カルチャー

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.56

写真・文/久山宗成 a.k.a. Donald

2026年10月31日

text: Muneaki Kuyama a.k.a. Donald
photo: mamico035
edit: Yukako Kazuno

毎月GEEK WATCHの連載を読んでくれている偏愛仲間の皆様にご報告があります。

なんと! 9月4日に神保町に『GEEK STORE アンドロメダ』が誕生しました。

腕時計屋なのか、古道具屋なのか、それとも小さな博物館なのか。そんな正体不明の店を、古書の街・神保町にオープンしました。名前は「GEEK STORE Ἀνδρομέδα(アンドロメダ)」。場所は神保町駅から徒歩30秒、「肆(YON)」という建物の3階にあります。

これまでこの『GEEK WATCH連載』では、世界中から捕獲してきた奇妙な腕時計を紹介してきました。時間を知るだけならスマホで十分。なのに、どうして僕たちは、わざわざ腕時計を手首に巻きたくなるのでしょう。僕が夢中なのは、時間を知るという本来の目的から少し脱線してしまった、メーカーの遊び心や技術者の暴走が生んだ、愛すべき珍品たちです。そんな腕時計を、ネットの画面越しではなく、実際に手に取って楽しめる場所を作りたい。それが今回、お店を始めた大きな理由のひとつです。

店内には1970〜2000年代の変わり種を中心に、デジタル、アナログ、機械式など、時代も国籍もバラバラな腕時計が並びます。写真では伝わらないサイズ感や重量、奇妙なギミックを自分の目で確かめられるのが実店舗の醍醐味。もちろん気に入った時計は、その場で購入することもできます。でも、アンドロメダは単なる時計屋ではありません。古いぬいぐるみを改造した「GOOD DAY MATE」のBluetoothスピーカー、懐かしのレトロゲーム、「ABRACADABRA charm」のジュエリー、アート作品まで。

ジャンルも年代も違うモノたちが、狭い店内で仲良く同居しています。何か特別なコンセプトに沿って集めたというより、僕が面白いと思うモノを集めていたら、こんなことになってしまいました。店内には、初代AIBOの「C62」も鎮座しています。名前の由来は『銀河鉄道999』の蒸気機関車。店名がアンドロメダなのだから、このくらいの寄り道は許してほしい(笑)。

そもそも神保町は、古本屋を巡りながら、思いがけない一冊との出会いを楽しむ街。目的の本を探していたはずが、気付けば全く別の本を抱えて帰っている。そんな宝探しのような楽しさは、僕の腕時計蒐集にも通じています。ネットで検索すれば、欲しいモノがすぐに見つかる時代。でも、自分がまだ知らないモノには、検索するための言葉すらありません。だからこそ、偶然の出会いが生まれる実店舗には意味があると思うのです。

時計を探しに来た人が、なぜか改造スピーカーを買って帰る。あるいは、何も買わずに変な時計の話だけして帰る。それも大歓迎。古いモノと新しい技術、工業製品とアート、名作と珍品。そんな境界線を軽々と飛び越えて、好奇心の赴くままに楽しめる場所にしていきたいと思っています。

インフォメーション

GEEK STORE Ἀνδρομέδα(アンドロメダ)
営業時間:12:00〜20:00
住所:東京都千代田区神田神保町1-9-23 肆(YON)3F
神保町駅より徒歩30秒
通常営業:金・土・日・祝日
予約制:月〜木曜日

最初は金・土・日・祝日が通常営業、平日の月〜木曜日は予約制でゆるりと始めます。神保町の古書店巡りのついでに、ぜひ3階まで足を延ばしてみてください。

プロフィール

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.56

久山宗成 a.k.a. Donald

くやま・むねあき | 改造活動家、企画編集者、GEEK WATCH偏愛家。ワタリウム美術館のミュージアムショップ地下中二階にて、2014年より改造見世物小屋『+R.I.P. STORE』を営む。様々なマテリアルや手法を組み合わせてジュエリー、腕時計、プロダクト、舞台美術などを制作している。趣味的に始めてどハマりしたGEEK WATCHのコレクションは今や700本以上。現在『GEEK WATCH PEDIA』なる本を編集中。

Instagram
https://www.instagram.com/geekwatch_tokyo_jinbocho/