カルチャー

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.19

写真・文/ドナルド魔苦怒奈流怒

2023年10月1日

photo & text: Donald MacDonald
edit: Yukako Kazuno

今日は私が大好きないかにもGEEK WATCH! ジャンピングアワー機構を持つ腕時計をご紹介します。ジャンピングアワーとはダイヤル上に設けられた小窓で時刻の時の単位を表示する機構で、時が切り替わる瞬間に数字が変わってジャンプするように見えることからこのように呼ばれます。 百聞は一見に如かず。先ずは代表的な腕時計を紹介致します。YouTubeのGEEK WATCH CHANNELもぜひご覧ください。

「LORD ELGIN SHEVRON(鉄仮面)」

Victoryの「V」をあしらったマニア大好き元祖・鉄仮面。50Sに〈エルジン〉の高級ライン「LORD ELGIN」から発売されたこちらの「SHEVRON」は、ジャンピングアワー機構を搭載した代表的なモデルでその独特のデザインから鉄仮面とも呼ばれる名作です。「ロックの反逆性と、カントリーの哀愁、フォークの語り口」と言われる歌手ジョニー・キャッシュが愛用したことでも有名。

そして! 私が大好きでコツコツ集めたジャンピングアワーの名モデルがこちら。

ジャンニ・ブルガリの名モデル「エニグマ」!

「エニグマ (Enigma)」 とは「謎」の意でギリシア語に由来。第二次世界大戦でナチス・ドイツが用いたこのローター式暗号機を名に冠したこちらの腕時計。製作したのはブルガリの共同最高経営責任者(CEO)であったジャンニ・ブルガリ。1989年に独立して始めた腕時計ブランドが〈ジャンニ・ブルガリ〉です。

一時間毎に時間表示の数字がジャンプするように切り替わるジャンピングアワー機構でスパイ気分。下の小窓が時間で上の大きな窓の針が分針です。

ついでにもうひとつ面白い機構の腕時計をご紹介。

「KLOKERS 02」

フランスのデザインとスイスの時計製造技術のコラボレーションにより生まれた〈KLOKERS〉。こちらのモデルは、2017年にクラウドファウンディングで資金を調達して生産。人気を博したが生産が中止されて以降、GEEK WATCH界隈で人気急騰中の一本。

まるで古いアナログカメラのような質感とデザインが秀逸。こちらの腕時計02はなんと! 「トゥールビヨン」や「ミニッツリピーター」など有名な腕時計の世界7大複雑機構のひとつ「レトログラード」を搭載。時間は無限ではなく有限であることを表すために採用され、秒針&分針は右端まで行くと左端まで一気に戻ります。世界24都市のタイムゾーンを表示する窓、時間の流れを緩やかにする5分間隔で動く分針など細部も手抜きなし。

次号は隠れGEEK WATCH LOVERを探せ! B-BOY彫刻家の小畑多丘さんのアトリエにお邪魔します。

プロフィール

ドナルド魔苦怒奈流怒

ドナルド魔苦怒奈流怒

改造士、映画監督、GEEK WATCH偏愛家。ワタリウム美術館のミュージアムショップ地下中二階にて、奇天烈な改造見世物小屋『+R.I.P. STORE』を営む。様々なマテリアルや手法を組み合わせてジュエリー、腕時計、プロダクト、舞台美術などを制作している。趣味的に始めてどハマりしたGEEK WATCHのコレクションは今や700本以上。現在『GEEK WATCH PEDIA』なる本を製作しようと目論み中。

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