カルチャー

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.21

写真・文/ドナルド魔苦怒奈流怒

2023年12月7日

年内も残すところあと2回! 第21回目の今回は、またロケを敢行。「JKTに合わせて楽しむGEEK WATCH」と題してジェントルマン気分高鳴るJKTに合わせて楽しむ腕時計のチョイスを学んでみよう。YouTubeのGEEK WATCH CHANNELもぜひご覧ください。

訪れたのは、原宿にあるショールーム兼ショップ『BLANDET Tokyo』。ディレクターの宮本さんは、ジャケットだけを作るブランド〈JACKET(ジャケット)〉を手掛けています。お店に来られる方は周知の事実ですが、僕もこちらの偏愛が溢れたJKTの大ファン。こちらのJKTをブラウン、ブラック、グレーの3カラーバリエーションで所有。まるでユニフォームのように愛用しています。

プロフィール

宮本哲明

みやもと・てつあき | MIYAMOTO SPICE代表、〈JACKET〉ディレクター。1983年生まれ。セレクトショップの販売、広報を経て独立。運営するショールーム兼ショップ『BLANDET Tokyo』ではPRや販売を行うかたわらレストランでスパイス料理の修行も行う。

思い起こせば数年間。Netflixのドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』にどハマりした私。ベストにチェーンと懐中時計という、イギリスのクラシックなギャングスタイル気分が高鳴り過ぎている時、運命に導かれるが如くこのJKTに出逢った。

こちらが私が一発で恋に墜ちたスモーキングJKTをベースに作られた一着。スモーキングJKTとは、葉巻を吸う時に中に着ている衣類に煙の匂いが付くことや灰が落ちて穴が開くことを防ぐためのJKT。スモーキングジャケットが後に進化してタキシードになったという、いわばフォーマルの元祖。しかも、ラペルなどは着やすいようにモダンにアレンジされているのでTPOに合わせやすく、生地が地厚で丈夫なコットンカルゼなのでガンガン着てもへこたれないんです。

そして! このJKTの最大の魅力は写真のように通常使わないボタンホールにジュエリーとチェーンを連結出来るということ。”ベストにチェーンと懐中時計”というあのジェントルマンなギャングスタイルをベストを着用せずともできるんです!  熱くなり長くなりすみません。それではそろそろ本題に入りましょう。

宮本さんがこのJKTに合わせて着けて楽しんでいるという腕時計をご紹介頂きましょう。

いきなり真打ち登場! 〈TIFFANY〉のヴィンテージダイバーズウォッチ。200m防水、逆回転防止ベゼル等、ダイビングウォッチの機能を盛り込んだ本格ダイバーにおティファニーの文字が入るだけで、なんておティファニーな品の良さ。現在は生産されていないレアモデルで、さらに珍しいメンズサイズ。フォーマルさにアクティブなのに品が良いからお気に入りとのこと。

出ました! 知る人ぞ知る名モデル。フランス語で「風」を意味するLE VENTとは、〈SEIKO〉が1990年に仕掛けたプロジェクト。女性の社会進出を後押しするために社外の女性デザイナーに依頼して腕時計を製作しました。プロジェクト参加メンバーは、日本人初のスーパーモデル山口小夜子、作詞家の阿木燿子、パリダガールラリーのドライバー山村れいこ、ファッションデザイナー横森美奈子。この腕時計は横森美奈子さんデザイン

「人が時を生み出したのに、今や人が時に支配されてしまっている。私は時を支配したい。そのために必要な時だけボタンを押すと時間が表示される腕時計を作りたい。表示はLEDで」

横森さんのコンセプトとデザインに感銘を受けた〈SEIKO〉の職人さんは、1年半かけて消費電力を抑えたマトリクスドットLEDを開発してそれに応えた。発売当時かなり高価だったため販売数は推定300本程度と少なく幻に近い逸品。宮本さんはそのコンセプトと技術者の情熱に惚れ込んで一発でファンに。ゴールドとコンビカラーの二本を所有。

出ました禁断の果実! Apple🍎社のビンテージ腕時計。アップルマークがレインボー時代のレアな一本。1995年のMacOS8発売の時のノベリティらしい。宮本さんはアラン・シルベスタインみたいなカラフルでPOPな針のデザインもお気に入りとのこと。

バブル時代の建築的デザインの最高峰。こちらは1996年に〈CITIZEN〉から発売された「CHAOS」。カオスは、建築家・プロダクトデザイナーの黒川雅之氏と〈CITIZEN〉のコラボモデルで素材はチタン。カタツムリみたいなロングクラウンにダブルフェイスの斬新なデザインもさることながら、ポイントは文字盤下部の窓。サン&ムーンのように昼は黄色、夜は黒に。12時間毎(6時頃と18時頃)に黒→黄色(黄色→黒)に切り替わります。これにより異国にいる家族や恋人の時間が一目瞭然。宮本さんは、自身のショールーム兼ショップの照明にも黒川雅之デザインのライトを使用するくらい黒川さんファン。デザインや素材選びは勿論だけどその裏に隠されたもの作りに込められた想いや遊び心が好きなのだとか。

SF感溢れるナイスデザインのこちらは2005年に発売された〈Fossil〉×フィリップ・スタルクの世界1500本限定モデル。ステンレスの鏡面仕上げが近未来感マックスでクール。ボタンを1回押すと時間が、2回押すと日付けがデジタルで表示されます。軽装になりがちな夏のスタイリングのアクセントにブレスレット感覚で着用する事が多いとのこと。

こちらも巨匠フィリップ・スタルクがデザインした超個性的な腕時計。愛称がドーナツというだけあって、腕時計の真ん中がくり抜かれた腕時計デザインは唯一無二。スタルクのデザインは時計の概念を覆すような意表を突くデザインが好きとのこと。

最高峰を越える至高! 1970年代初頭。〈SEIKO〉が誇る最高級ライン「Grand Seiko」よりもさらに高級なラインが存在した。その名も「V.F.A.」。「Very Fine Adjusted(特別調整品)」の略で当時の発売価格が94,000円!。その特徴は、機械式腕時計では前例のない「月差-1分~+1分」という超高精度。ブラウンのグラデーション文字盤、一秒毎に点滅するLED、クリスタル多面体カットの風貌..。今は失われた日本的な真面目な格好良さが感じられてお気に入りとのこと。

知る人ぞ知るTHE名門! 〈JUVENIA〉は、スイス、ラショードフォンにて1860年に創業された歴史を持つ由緒ある宝飾時計メーカー。〈ROLEX〉よりも古く、140年以上の歴史と由緒のあるメーカーで、日本に最初に輸入された腕時計としても有名で何と! 1904年、明治37年…。写真を見てもお分かりにように、金属ベルトとケースを一体成型して実現した機械式なのにスリムなボディーが技術力の高さを証明しています。誤魔化しがきかないシンプルなのに溢れる気品がお気に入りとのこと。

文字盤に描かれたイエローキャブがポップな機械式腕時計。裏蓋に彫られた文字から推察するに、NYのイエローキャブの運転手に無事故安全賞として会社から贈られた腕時計。一見クラシカルな顔つきの中に入るポップなイエローキャブが可愛らしく、かたく見えすぎないところがお気に入りポイントとのこと。

と、駆け足でご紹介しましたが、皆さんもお気に入りのJKTにGEEKな相棒を合わせてお楽しみ下さい。ご興味のある方は宮本さんの原宿にあるショールーム兼ショップ『BLANDET Tokyo』(基本予約制)までどうぞ。

プロフィール

ドナルド魔苦怒奈流怒

ドナルド魔苦怒奈流怒

改造士、映画監督、GEEK WATCH偏愛家。ワタリウム美術館のミュージアムショップ地下中二階にて、奇天烈な改造見世物小屋『+R.I.P. STORE』を営む。様々なマテリアルや手法を組み合わせてジュエリー、腕時計、プロダクト、舞台美術などを制作している。趣味的に始めてどハマりしたGEEK WATCHのコレクションは今や700本以上。現在『GEEK WATCH PEDIA』なる本を製作しようと目論み中。

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