カルチャー

世の中が完全に暑くなる前に読みたい3冊。

7月はこんな本を読もうかな。

2026年7月1日

text: Keisuke Kagiwada

『ある結婚前の風景』
エイドリアン・トミネウ(著)、長澤あかね(訳)

 ブルックリン在住の日系4世の作者が、恋人サラとの結婚式までの前途多難な道のりを描いたエッセイコミック。笑えると同時に、これから結婚式を予定しているすべての男女には学びも多い一冊だ。そして、2人の未来が、タイトルの元ネタである『ある結婚の風景』みたいにならないことを祈りたい。¥2,200/国書刊行会

『いま、ここにある神話』
中沢新一(著、写真)

 現代社会の背景には、古来より人間が育んできた神話的思考が息づいている。デパートの物産展や駅弁から、所ジョージ、果ては電動バイクで旅する出川哲郎にまで、神話的な力学を見出していく著者の視線に感動。こんな風に世の中を眼差せたら、どんなに楽しいだろう!¥2,420/講談社

『純文学って何だよ』
鴻池留衣(著)

 純文学の限界に挑戦してきた著者が、高瀬隼子、町屋良平らを酒場に呼び寄せ、改めて問う。純文学って何だよ。酒場であるがゆえの砕けた口調によるその語らいは、カジュアルだがリアルだ。読後、その正体はわかるかもしれないし、わからないままかもしれない。わかっていたはずだが、わからなくなるかもしれない。しかし、それこそが純文学なのかもしれない。¥1,980/集英社