ファッション

未知のフィールドへ踏み出すための、ゲームチェンジのラバーブーツ。

僕の好きなアメカジ

2026年5月24日

Made in U.S.A. catalog 2026


photo: Reiko Toyama
illustration: Yoshifumi Takeda
edit: Tamio Ogasawara, Ku Ishikawa
2026年6月 950号初出

1897年にウィスコンシン州ラクロスで設立し、その後2001年にオレゴン州に拠点を移す。ゴム工場に始まり、作業現場向けのゴム靴の製造を経てシューズメーカーとなったそう。

 第⼀印象ですべてが⾒通せるような、⽬指すゴールのイメージが⽬の前に強く現れると、働き盛りとしては良いかもしれないが、同時に退屈さも味わうことがある。⾃分の経験値が及びもつかない、何もかも物事の様⼦が明らかにならない、何に出くわすのかわからない茫漠たる暗闇に挑みたくなるのが男盛りというものだと思う。ハードコアなぼくは半径2㎞には誰もいない⼭の中で、辿り着く道を作り、⼩屋を建てることにした。

 ぼくの場合〝⻑靴〟は主にコンクリートの打設時に履くものだったが、ボコボコした履き⼼地で⾜に馴染まず、到底⼭の斜⾯を歩こうというものではなかった。⾜袋のようにフィットして屋根にも上がれて、冷たくならず快適なもの。そんなラバーブーツが理想だと思えた。遊びと道具には、欲というシフトチェンジがついてくる。より⾼みを⽬指す欲深い⼈でごった返す世界には、⾰命的なゲームチェンジがあるはずだ、そう睨んだぼくは、ミズーリで農業を営みつつハンターでもある友⼈に尋ねた。

 この〈LACROSSE〉が農場や畜産農家の⽣活と、いわゆるカウボーイのメインの仕事であるフェンス作り、シーズンがやってくるハンティングで活躍していた。イントゥザワイルドというが、毒を持つ⽣き物が⾜元に潜み、レベルの違うワイルドライフを過ごす彼らは闇夜の中でも出かけるし、結構ハードに歩き、⻑時間フィールドで過ごしていた。ほう、試す価値があるだろうな。そう思えた。

〈LACROSSE〉「Guardsman」を選ぶと、シャフトの質感も良く、しかも気温が低くなっても硬くならず、これは重要なチェックマークポイントなので感⼼した。ゴツゴツしたアップ系ではないソールはスニーカー感覚。⾜の裏の感覚もわかる。クルマのペダルや重機の操作感も邪魔しない。またさすがブーツの⽂化の国らしく、シャフトもブカブカしたところがなくピタリとフィットしてくる。⾮常に⾼いレベルで万能感を備えているのも、アメリカという厳しさの中で育まれた品だと思えた。履き潰しても2⾜⽬をすかさず買った⼤好きなブーツ。

 お薦め。

プロフィール

未知のフィールドへ踏み出すための、ゲームチェンジのラバーブーツ。

西條 賢

〈raregem〉主宰

にしじょう・けん|1967年生まれ。オーダーメイド家具の職人として独立し、1995年より〈raregem〉をスタート。根強いファンが多い。

Official Website
https://www.raregem.co.jp/