ファッション
アメ横をクルーズして、なんでもない服を「メデェ〜」する。
僕の好きなアメカジ
2026年5月23日
Made in U.S.A. catalog 2026
photo: Reiko Toyama
illustration: Yoshifumi Takeda
edit: Tamio Ogasawara, Ku Ishikawa
2026年6月 950号初出
いつも賑やかな街。鼻の奥にツンとくるにおいは鮮魚店からだろうか? このブラックジーンズは3、4年ほど前に上野の『Jalana』で買った。〈リップラップ〉のスタジオを秋葉原に構えてから、仕事が落ち着くと散歩がてら御徒町~上野へ行き、『モンベル』と『アートスポーツ』に寄りアウトドアギアやランニングシューズを眺め、『YAYOI』や『玉美』では綺麗に陳列された肌着のTシャツやシャツ、チノパンをチェックする。途中、最近息子と一緒にハマっている石を見に『ニルヴァーナストーン』という鉱石屋に寄り、『想夫恋』で焼きそばを食べる。『イケダヤ靴店』にはいつも他にはないスニーカーやブーツがあって面白い。最後に『中田商店』に行って軍モノを吟味する。
そんな感じで手に入れた〈RUSTLER〉のジーンズは、中年に差し掛かった自分にもフィットする気持ちタイトなストレート。後ろポケットにステッチがなく、フロントにコインポケットもない簡素なデザイン。正直、あまり特徴がないのが気に入ってよく穿いている。店員さんが言うには、このジーンズはアメリカのスーパー、ウォルマートで取り扱っているものらしい。最近、「映える」ことより「愛でる」ことに興味がある。このことを「メデェ~」と言いたい。事前にSNSやインターネットで目星をつけてのショッピングもいいが、たっぷり時間をつかってお店をクルーズし、その時、その店に有るものを買う。その有るものを手持ちの服とどう合わせようかと考えるのが面白い。買い物のプリミティブ化とでもいうのかな? そんな行為が、ひとつのアイテムを一層「メデェ~もの」にする。
先日、品川の教会へニューヨークのミュージシャン、キャメロン・ウィンターのライブを観に行った。程よくヤレたロカウェアのペインターパンツ(ブラックデニム)を穿いていて格好よかった。さて、明日はこのジーンズをどう着ようか。
プロフィール
西野裕人 〈Riprap〉デザイナー
にしの・ひろと|1984年生まれ。スタイリストである本間良二氏に師事したのち、2015年より自身のブランド〈Riprap〉をスタート。
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