ライフスタイル

どれも違って、どれもLA。

僕の好きなクルマ。

2026年5月7日

好きな車はどこにある?


photo: Yusei Kanda
coordination: Kakeru Otsuka
text: Kento Nogami
2026年5月 949号初出

 車の保有率約93%、一家に一台が当たり前ともいわれるLA。広大なメガロポリスを縦横無尽に移動するには当然、車は不可欠。あらゆることにおいて多様性豊かなこの街は、カーライフにおいてもまさにそうで、スタートアップのEVだって、自動運転のタクシーだって、バリバリ走っている。そんな中で、今回キャッチアップした3人のオーナーは三者三様に、この街のクルマ文化を代表するような存在だ。キャニオンを軽快に駆けるスポーティなトヨタ カローラ GTS、日曜日の晴天にゆったりとクルーズを楽しむシボレー インパラ、そしてタフな通勤の相棒として日々愛用されるスバル XV クロストレック。どれも違って、どれもいいね。

TOYOTA COROLLA GTS — 1985

engine – 1,587cc
price – ??
mileage – ??km
fuel-efficiency – 12km/L

40年愛されるハチロク、
純正再生で紡ぐ車と人の深い絆。

 世界中の車好きを魅了するAE86は、スプリンター トレノとカローラ レビンの2モデル。だがこの一台、フロントは前者でリアは後者!? の北米仕様、レアなカローラ GTSだ。サン・カンさんは愛車に必ず名前をつける主義で、この個体の語尾から「ローラ」と命名。しかも、ノーマルにこだわりフルレストア&カスタム。「工場出荷時の状態に戻したくて、ミラーやマッドガードまで純正を探すのが本当に楽しかった。その過程で、ガレージをハチロクのパーツで埋め尽くすクールなオタクにも出会えたんだ。車は、人を繋げる最高のツールだよ!」

サンさんのドライビンググローブは軍手! 「韓国系スーパーで作業用手袋を買っているよ。手のひらはゴムで滑りにくく、甲は布で通気性がいい。安いから失くしても気にならないし、スマホを触れるように指先も切ってある」 

雨天時の換気や風切り音の軽減などの機能性以外に、デザイン性においても活躍するサイドウィンドウディフレクター。「TRUENO」と印字されている。ここも純正へのこだわりは抜かりなし。

しっかりと張り出したサイドサポートに厚みを抑えた軽いシート。フェードしたモケットの質感も相まって、使い込まれた時間が表れている。

日本仕様のGTVホイール。昔は価値がなくて捨てられていたものが、今や何千ドルという価格で取引されているらしい。

今年公開予定、主演・監督を務める映画『ドリフター』のステッカーがリアに。

オーナー

どれも違って、どれもLA。

Sung Kang(53)

俳優

「人生では、周りに正しいコミュニティがあれば何でも可能です。自分が本当に好きなものを見つけてください。情熱を持ってそれに向き合い、オープンでいることが大切です」

CHEVROLET IMPALA — 1959

engine – 3,498cc
price – $18,000
mileage – 193,121km
fuel-efficiency – 6km/L

幼少期から憧れた、
’50年代を象徴するローライダー。

「僕が生まれる前に父が1959年式に乗っていて、部屋にはミニカーもあった。だから、いつかは手に入れたいと思っていたんだ」。そんなピュアな憧れを胸に、18歳で念願の一台を手に入れて父とゼロから造り上げた。猫の目のようなテールライトに、航空機由来の巨大なテールフィン。横幅2m超えの堂々たるフォルムは、’50年代アメ車を象徴する存在だ。窓やシートはカスタムしたけど、エンジンはあえて純正のまま。

角張ったラギッドなフォルムだけど、車体がペールカラーというバランスが絶妙。

車体と同じ色を拾った淡い色合いがクールなステアリングホイール。

〈76〉のピンは15歳のときに父親のために買って、この車につけるためにずっと大切に取っておいたもの。

ダッシュボードのど真ん中に鎮座するミューラルは、お父さんの提案で描いたお母さんのポートレート。いつだって家族のことを忘れないジョーイさん。

トランクを開けると、スペアタイヤがギュイーンと後ろに倒れてくる。

オーナー

どれも違って、どれもLA。

Joey Barba(37)

『Paisaboys』共同オーナー

「スピードを出すために載せ替えたりする人が多いけど、このスムーズさがいい。ヨットを運転している感覚みたいで気持ちいいからね(笑)」

SUBARU XV CROSSTREK — 2013

engine – 2,000cc
price – $17,000
mileage – 192,000km
fuel-efficiency – 11km/L

デザインと乗り心地が抜群。
コンパクトSUVはLAのリアル。

 2012年に北米市場でも発売されたXV クロストレックは、乗用車の快適な乗り心地とSUVらしい高い車高を兼ね備えた一台。当時のスバルにとって、北米市場に風穴を開け存在感を示すきっかけとなったモデルだ。実際にカイダンくんの友人も新型に乗っていたり、街でも頻繁に見かけるという。

ルーフラックとトウヒッチを備え、積載力は無尽蔵!

後部座席を倒さずにベビーカー一台が収まる広々としたトランク。スナックやクーラーボックスを積み、友人や彼女と海へ出かけるのが好きだという。

彼女からもらったという思い出たっぷりのぬいぐるみ。センターコンソールから運転を見守っているから、気分はいつでも彼女と一緒!

ステアリングホイールは、円形部と中心を繋ぐ柱をT字型に取り付けられた形状。それにより、高い操作性を実現。よーく見ると、革特有のシボ感や長年の使用によるツヤが出ていて深みを感じる。

オーナー

どれも違って、どれもLA。

Kaidan C. Pascua(25)

『Golf le Fleur*』 デザインディレクター

「インプレッサをリフトアップしたようなSUVシルエットで見た目も気に入っているし、視界も広くて運転しやすい。頭上空間にも余裕があって、とにかく快適。2時間ほどかけてサンディエゴの友人に会いに行くときも、移動が苦にならないのがいいね」