ライフスタイル

優美でシンプルなデザインは、北欧ならでは。

僕の好きなクルマ。

2026年5月4日

好きな車はどこにある?


photo: Paolo Galgani
text: Sanae Sato
2026年5月 949号初出

シェラン島北西部のサマーハウスで、愛犬リムと。ボディカラーはオリジナルの「California White」。

オリジナルの仕様を保ち、
動き続ける状態で維持する満足感。

 デンマークの首都・コペンハーゲンは自転車の街として有名だけど、〈Frama〉のオーナー・ニルスさんと、陶芸家のフランカさんの暮らしには車が便利。1歳半の娘と愛犬をもち、一緒に作品や家具を運んだり、アクティブに動き回る日々において、普段はランドローバーのディフェンダー 110をシェア。週末に訪れる郊外のサマーハウスのガレージには、フランカさんが10代の頃から憧れていたボルボ 1800ESを大切に保管している。春から秋にはこの車でドライブを楽しんでいるんだって。「今年はサスペンションまわり、スプリングとショックの交換が必要になりそう」と語る彼女は、冷却系を一式交換するなど整備も自ら行っていてかっこいい。

VOLVO 1800ES — 1972

engine – 1,800cc
price – €30,000
mileage – 208,078km
fuel-efficiency – 12km/L

 8078台生産され、現存するのは3000台ほどとされるボルボの1800ES。フランカさんが所有するこの車は、マニュアルトランスミッションで4速+オーバードライブ。インテリアやボディカラーもオリジナル仕様を保っている。アメリカ向けに多く見られるB20fエンジンではなく、やや出力の高いB20eエンジンを搭載したヨーロッパ仕様。30年間所有していたドイツのオーナーと数か月にわたるメールのやり取りの末、2020年に譲り受けた。路上を走れる状態で守り続けることには、大きな満足感があるという。時の流れに耐えることを前提に作られていた時代の機械を象徴する存在でもある。

「コックピットのアナログ感溢れるダイヤル式のスイッチやボタンの操作感も魅力」とフランカさん。

後部はフレームのない全面ガラスのテールゲートが美しい。ラゲージスペースまで一体化したデザインで、クーペの美しさとワゴンの実用性を両立。

オリジナルのタンレザーがシンプルで上質なインテリア。

フランカさんが臨月を迎えていた2024年の夏、それぞれ別の車で地方へ日帰りドライブに出かけたときの様子。コペンハーゲンへ戻った直後に、娘のアトラス=リアが誕生した。

オーナー

優美でシンプルなデザインは、北欧ならでは。

Franca Christophersen(30)Niels Strøyer Christophersen(44)

「魂のこもったシンプルさ。優雅なデザインでありながら、耐久性と整備のしやすさを考えて設計されている。私にとってまさに夢の車」。