カルチャー

いまだに正月ボケしている脳を再活性化させるために読みたい3冊。

2月はこんな本を読もうかな。

2026年2月1日

text: Keisuke Kagiwada

『ポピュラー文化がラディカルな思想と出会うとき
──マーク・フィッシャーとイギリス現代思想入門 』
仲山ひふみ、ele-king編集部(監修)

 哲学的なポップカルチャー論を通して、出口なしの資本主義について考察し続けた英国の批評家、マーク・フィッシャー。彼が自殺した2017年以後、かなりの数の翻訳が出たものの、いまだに誰かの引用でしかない”「資本主義の終わりより世界の終わりを想像する方が容易い」の人”という印象が強いフィッシャーだが、彼自身もその一員だったイギリス現代思想も含めて、本気で入門したい人こちらを読むべし。彼が残した思考の軌跡を、いかに”使う”かを考える上でもうってつけ。¥2,750/Pヴァイン

『実験音楽 1970年から現代まで』
ジェニ・ゴチョーク(著) 杉本拓、若尾裕(訳)

 実験音楽とは何か? 誰もが気になっているはずのその問いに、ジョン・ケージから大友良英まで、半世紀にわたる実験音楽の営みを500名を超える作家とその作品を通して向き合った鈍器本。著者は言う。「私はこの本がこの分野を完全にとらえきれているとも、あるいは読者がそれについての知識を完全に得られるとも主張はしない。しかし私は、実験音楽の広さ、豊かさ、可能性が、私がこの執筆を始めるまえに理解していたより、幾何級数的に大きくなっていることを認識している。」。¥5,280/フィルムアート社

『いくつもの鋭い破片 上』
ブレット・イーストン・エリス(著) 品川亮(訳)

 近年、ミュージカル化されたり、ルカ・グァダニーノ監督に再映画化されるという噂もあったりと、再評価の渦中にある『アメリカン・サイコ』。その著者による久しぶりの小説がこちら。1981年のLAの高級住宅街で、退廃的な暮らしを送る高校生のブレッド(つまり著者と同じ名前)が、謎の転校生、シリアルキラー、カルト集団などをめぐる不穏なアレコレに巻き込まれる。上下本だが、あっという間に読了できる。ブレット・イーストン・エリス版『スタンド・バイ・ミー』と呼びたい、エバーグリーンな青春小説だ。¥3,630/文藝春秋