フード

一晩置いてみんなで食べよう、甘み広がる関西おでん。

どのみち毎日食べるから。Vol.30

どのみち毎日食べるから。

artwork: Ryuto Miyake
photo: Kazuharu Igarashi
cooperation: Yu Kokubu

2025年12月30日

発売中!

一晩置いてみんなで食べよう、甘み広がる関西おでん。

『はじめの自炊帳』

連載「どのみち毎日食べるから。」が書籍化!
醤油、塩、砂糖、みりんなど基本の調味料で作る、ずっと飽きないスタンダードな31品を掲載。特別なテクニックも食材も使わず、誰でもとびきりおいしい料理が作れる料理入門書です。

『はじめの自炊帳』

 生きているかぎりどのみち毎日触れ合う料理。自らの手でおいしく作れる知恵があれば、これからの人生、楽しくなるはず。このポッドキャストは料理家の土井光さんに、自分や家族が毎日食べて「あぁ、オイシイ」としみじみ感じる料理を教えてもらう番組。特別なテクニックも食材も不要。10分前後の音声を聴けば誰でも作れるメニューばかりだから、近所のスーパーに向かう道中にでも聴いてほしい。第三十回は、一晩置いてみんなで食べたい、甘み広がる関西おでん。

「いろんな具材の味が重なり合ったほうがおいしいので、たっぷり作ってみんなでワイワイ楽しみましょう」(土井光)

MEMO

材料は、大根400g、牛すじ200g、厚揚げ1枚、ちくわ2本、ごぼう天2個、こんにゃく1/2枚、卵4個、出汁の材料(醤油1/2カップ、砂糖25g、水8カップ、鰹節40g、昆布1枚)、薬味に練りからし、七味。これで4人分になる。

まず出汁をとる。鰹節、昆布、醤油、砂糖、水を一気に入れて弱火にかける。

おでんの食材の準備をしていく。まずはちくわを斜めに切る。

厚揚げ、ごぼ天などの練り物は油を落とすためにお湯をかける。

牛すじを茹でる。

色が変わったら引き上げて、冷ましておく。

大根は2〜3cmの輪切りにして皮を剥く。

15分ほど下茹でする。

こんにゃくは三角に切って、30秒程度茹でて臭みをとる。

牛すじは一口大に切って串に刺す。

畳んで貫通させるイメージで。

出汁を濾す。

鍋に大根、ちくわ、串、厚揚げ、ごぼう天2個、こんにゃく、卵を入れ、出汁を注いで1時間煮込む。途中でアクを取ると澄んだスープになる。1時間経ったら火を止めて冷蔵庫で一晩置く。

翌日2時間程度ゆっくり煮込む。

完成!
七味と辛子をお好みで。

POPEYE

あま〜い。一口食べた瞬間に口内に広がる優しい甘さ。関西のおでんはこんなに甘いのかという驚きと、甘さだけではない一瞬で心が落ち着く出汁の香りに今年1年の疲れが吹っ飛んだ。“年の瀬料理“は色々体験してきたけれど、結局おでんが正解かもしれない。色々な具材で多めに作ったほうが旨味が出るというし、仕込みだけ済ませてしまえば、当時の調理工程は火をかけるだけ。さらに、食べ切って終わりかと思いきや、余った出汁にうどんを入れて食べるというサプライズも待っていた。

プロフィール

一晩置いてみんなで食べよう、甘み広がる関西おでん。

土井光

どい・ひかる|1991年、大阪生まれ東京育ち。三ツ星レストランや老舗菓子店に勤め、在仏7年後帰国。現在は父である土井善晴の事務所に勤務。大学や調理師学校の講師、コラム執筆、フランスと日本文化をつなぐイベントなど行う。趣味はマラソン。

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