カルチャー

机の上のサイエンス。Vol.42

プラチナコガネ

2024年12月3日

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机の上のサイエンス。


photo: Akira Yamaguchi
text & edit: Shogo Kawabata
2024年12月 932号初出

眩く輝く、貴金属のような昆虫。

写真上から、オプティマのグリーン個体Chrysina optima、非常に金属光沢が強いChrysina limbata、落ち着いたトーンのゴールドとなるChrysina resplendens。

 鏡面を身にまとう昆虫、「プラチナコガネ」。中南米の雲霧林に生息するChrysina属の中で、このようにキラキラとした金属光沢を持つ種を総じて呼ぶ俗称のようなものだ。Chrysinaには緑色の種も多く、そちらは「ウグイスコガネ」と総称されている。一見、あまりの輝きに目立ってしまい、捕食者にすぐ見つかってしまいそうだが、フィールドではこの鏡のような体に周辺の景色を映し込み、まるで光学迷彩のように周囲に溶け込む。シルバー、ゴールド、メタリックグリーン、メタリックレッドなどのさまざまなカラーが存在し、貴金属のような美しさからコレクターも多い人気の昆虫だ。また、この虫は脚まで美しく、雄は脚先の2枚の爪の長さが異なるのも特徴的。写真の標本は、標本作家の福井敬貴氏による展足がほどこされたもので、この爪の長さの差がわかりやすいように、爪を横に寝かせた状態となっている。昆虫標本を針でポージングしていく展足という作業は、標本の美しさを引き立てる重要な要素なのだ。