ライフスタイル

私のいえは、東京 山のうえ Vol.17

社本真里の隔週日記: 小屋傍の紅葉

2022年9月21日

photo & text: Mari Shamoto
edit: Masaru Tatsuki

 先週、フリースを出してきて羽織った。檜原は秋が来るのが早い。毎年8月の最終週の土曜にお祭りがあるのだが(コロナでもう3年行っていない)、夜になると毎年とても寒かった思い出がある。

 もう少しすると山が紅葉し始める季節だ。
 小屋の南東側の傍にも、紅葉(もみじ)の木がある。紅葉は、紅葉の時期を終えると一斉に落葉して、少し暖かくなり始めた春先から少しずつ芽吹き始め夏になると大きく葉をつける。

 なので冬の低い日差しが差し込む時期は落葉してくれるので小屋には優しい日が入り、夏には大きな葉のお陰で強い日差しを遮ってくれる。このことは住んでから気づいたのだが、私の生活の中でとっても役に立ってくれている。

春先くらいからベランダも陰るので過ごしやすい。落葉した冬には、日差しが入ってきてあたたかい。

 小屋を建てる前、庭には沢山の木があって、できるだけ木々の邪魔にならないように建てる場所を決めたのだが、どうしても切らないといけない木や、移植をしないといけない木があった。

 その際、この紅葉の木もどうするんだという話になったのだが、とても樹形が綺麗だったので、屋根に少しかかるけど、残そうということに決めた。今思えばあの時ほんとうに残して良かったと思う。

窓からは紅葉の木がみえる。晴れた日は小鳥が遊びにやってくる。

 小屋を建てさせてもらった庭には、沢山の庭木があって、昔、押し花が大好きなおばあちゃんが暮らしていたと聞いている。

プロフィール

社本真里

しゃもと・まり | 1990年代生まれ、愛知県出身。土木業を営む両親・祖父母のもとに生まれる。名古屋芸術大学卒業後、都内の木造の注文住宅を中心とした設計事務所に勤め、たまたま檜原村の案件担当になったことがきっかけで、翌年に移住。2018年に、山の上に小さな木の家を建てて住んでいる。現在は村内の林業会社に勤め、山の素材の販売や街と森をつなぐきっかけづくりに奮闘している。