カルチャー

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.48

写真・文/久山宗成 a.k.a. Donald

2026年3月5日

photo & text: Muneaki Kuyama a.k.a. Donald
edit: Yukako Kazuno

連載開始4年記念! 第48回は、最近私が捕獲したGEEK WATCHたちをご紹介します。

【一酸化炭素濃度測定腕時計】
私も初見のGEEK WATCHにして最近最も気に入っている一本。安全靴メーカー〈ミドリ安全〉が手掛けるこちらの腕時計の機能はなんと! 一酸化炭素(CO)濃度測定器。酸欠や有毒ガス環境から作業員を守る高機能な検知警報器なんです。ソロキャンでテントでの使用もありですね。

私が大好きで愛用している〈ミドリ安全〉のシューズ「甲プロ」とスタイリングしてみました。試しにバイクの排気口に近づけてみると、このようにお知らせしてくれます。

【70S CHROMACHRON】
1970sに時間を“読む”のではなく“見る”をコンセプトに作られた腕時計「CHROMACHRON(クロマクロン)」。通常の時分針を持たず、色のセグメントによって時間を表示。パックマンのような文字盤中央の黒い円盤が回転し、切り欠き部分から現れるカラーインデックスによって時刻を示します。それはまるで色彩理論の円環図、あるいはミニマル・アート作品のよう。この個体は手巻き式ムーブメントを搭載しています。

【 90S CITIZEN × KANGOL 】
ヘルメットのバイザーのように張り出したトップケースと、ブラックフェイスに沈み込む液晶表示が未来的な印象を与える一本です。ステンレスのヘアライン仕上げブレスと一体化した流線型ケースは、90年代当時のテックファッションやストリートカルチャーと共振。グラフィカルな液晶レイアウトは、ストリートとデジタルが交差した90’sアーバンテックの記憶。

【90S SEIKO “Harmony】
音を“身につける”という発想で〈SEIKO〉が手がけた「Harmony」は、旋律で日常を彩るメロディーウォッチ。開閉式のカバーを開けると、ビビディバビディブーの曲と連動して秒針がダンスするからくり。90年代のギフトウォッチ文化を象徴する、優美で少しノスタルジックな一本。奇跡のデッドストックで入手。

【90S NOWHERE カモフラージュウォッチ】
裏原宿カルチャーの震源地〈NOWHERE〉は、NIGOと高橋盾が1993年に原宿で立ち上げた伝説的ショップ。この一本は、その空気を凝縮したプロダクトベージュケースに溶け込むカモフラージュ文字盤、そして象徴的なエイプモチーフ。ストリートとポップ、ミリタリーとグラフィックが交差する90’sの美学が、そのまま腕に宿ります。“場所”ではなく“ムーブメント”だった今やどこにもない〈NOWHERE〉の記憶を刻む一本。

【2000年代 DOLCE & GABBANA “Compass” Watch】
ご存知イタリアンラグジュアリーの〈Dolce & Gabbana〉によるコンパスモチーフの腕時計。N・E・S・Wを大胆に配したフェイスは、まるで計器盤のような存在感。ラバーストラップの鮮烈なオレンジは、2000年代初頭のD&Gらしいポップでスポーティなムードを象徴。針のデザインもアロー型で統一され、ミリタリーとファッションの境界を軽やかに越えた名作です。

【ジホッチ by 明和電気】
電話をかけられない電話時計。昭和世代には懐かしい黒電話をモチーフにした明和電気のナンセンスマシーン♥️ 117を回すと時間を教えてくれます。
完動品が絶滅してきている昨今でラッキーな入手でした。

【1997年 G-SHOCK DW-9100 “LUNGMAN”】
裏蓋に刻まれたダチョウのエンブレムと「PULSE CHECK」の文字。光学式ではなく、ボタン操作で脈拍をカウントする簡易パルスチェック機能を搭載した実験的モデル。“生体データ”を腕で測るという発想は、後年の心拍センサー搭載モデルへと続くプロローグでもありました。隠れた名作にして、隠れレアな一本。

【80S CASIO BB-9(BASE BALL GAME)】
最後はこちら。腕時計ではないですが、電卓に時計とゲームを融合させた電卓ゲームの一種で、野球をテーマにしたかなり珍しいモデル。「計算機 × スポーツ × クオーツ時計」という当時の“全部入り感”が面白いプロダクト。撮影で試遊してみたら奇跡のホームランが⚾️

GEEKなあの娘は一期一会。皆様もGEEKな一本に出逢ったら迷わずにゲットをオススメします。

プロフィール

目指せGEEK WATCH図鑑!!! Vol.48

久山宗成 a.k.a. Donald

くやま・むねあき | 改造活動家、企画編集者、GEEK WATCH偏愛家。ワタリウム美術館のミュージアムショップ地下中二階にて、2014年より改造見世物小屋『+R.I.P. STORE』を営む。様々なマテリアルや手法を組み合わせてジュエリー、腕時計、プロダクト、舞台美術などを制作している。趣味的に始めてどハマりしたGEEK WATCHのコレクションは今や700本以上。現在『GEEK WATCH PEDIA』なる本を編集中。

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