フード

ケチャップを焼いて作るハヤシライス。

どのみち毎日食べるから。Vol.23

どのみち毎日食べるから。

artwork: Ryuto Miyake
photo: Kazuharu Igarashi
cooperation: Yu Kokubu

2025年6月12日

発売中!

ケチャップを焼いて作るハヤシライス。

『はじめの自炊帳』

連載「どのみち毎日食べるから。」が書籍化!
醤油、塩、砂糖、みりんなど基本の調味料で作る、ずっと飽きないスタンダードな31品を掲載。特別なテクニックも食材も使わず、誰でもとびきりおいしい料理が作れる料理入門書です。

『はじめの自炊帳』

 生きているかぎりどのみち毎日触れ合う料理。自らの手でおいしく作れる知恵があれば、これからの人生、楽しくなるはず。このポッドキャストは料理家の土井光さんに、自分や家族が毎日食べて「あぁ、オイシイ」としみじみ感じる料理を教えてもらう番組。特別なテクニックも食材も不要。10分前後の音声を聴けば誰でも作れるメニューばかりだから、近所のスーパーに向かう道中にでも聴いてほしい。第二十三回はケチャップをギリギリまで焼いて作るハヤシライス。

「ケチャップをちゃんと焼くとデミグラスソースっぽい味になるんです」(土井光)

MEMO

材料は牛肉、玉ねぎ、ケチャップ、小麦粉、バター、塩、胡椒。

玉ねぎを切る。

バター15gと油を火にかける。

玉ねぎを炒める。

牛肉をカットして、塩をふっておく。

別のフライパンで炒める。焼き目をつけるため最初はあまり触らない。焼き目がついたらひっくり返す。

玉ねぎのフライパンに小麦粉大さじ2を入れる。

小麦粉に火をいれるイメージで焼いていく。

ケチャップ60gを加える。焦げやすいので火を弱める。

ケチャップの匂いが変わり、オレンジ色になるまで炒める。砂糖が入っているのでキャラメリゼをしている感覚で。

牛肉を加える。

少しずつ水を加えて馴染ませる。水はトータルで300~350mlをいれる。赤ワインにしたり、ローリエを加えると本格的になる。

10~15分程度煮込んだら完成。

仕上げに胡椒をかける。

最後に分量外の醤油をちょっとだけ入れると味がしまる。

完成!

POPEYE

フォーマットが同じカレーという巨大勢力の影に隠れてしまってなかなか自炊の選択肢にあがってこなかったハヤシライス。デミグラスを作るとなるとだいぶハードルがあがるが、トマトケチャップと牛肉と玉ねぎだけで作れてしまうとわかると話は別。「要するにケチャップ、牛肉、玉ねぎ炒めです」と土井さんは言うけれど、キャラメリゼしたケチャップは甘味と旨味が倍増して、ご飯にぴったり。優しさが滲み出ている家庭のハヤシライスだ。

プロフィール

ケチャップを焼いて作るハヤシライス。

土井光

どい・ひかる|1991年、大阪生まれ東京育ち。三ツ星レストランや老舗菓子店に勤め、在仏7年後帰国。現在は父である土井善晴の事務所に勤務。大学や調理師学校の講師、コラム執筆、フランスと日本文化をつなぐイベントなど行う。趣味はマラソン。

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