ライフスタイル

私のいえは、東京 山のうえ Vol.30

社本真里の隔週日記: 友人が来る

2023年4月14日

 桜吹雪が舞っていたけど、気づいたらどこかへ行ってしまった。今、小屋に友人が泊まりに来ている。いつも雪の心配がなくなった頃に連絡がくる。(大して雪が降らないことは伝えているのに)大学時代の友人が、愛知(地元)から東京へ仕事や遊びにきたついでに寄ってくれることが多い。

友人が泊まった日の朝は洗濯物が多くて、ベランダが窮屈になる。

 みんな東京駅から約1時間半程かけて終点の武蔵五日市駅まで電車を乗り継ぎ、そこから車で30分という立地に、本当に東京都なのかと疑ってくるので、「ここも、東京。」と説明をするところから始まる。友人をどこに連れていったら良いのか考えるけど、とりあえずジローさんとヨシコさんに会ってもらうのがお決まりのルート。ジローさんが急須で入れてくれたお茶を飲み、時にはヨシコさんが焼いてくれたパンをいただきながら、すごい山の上なんですね、と友人が話すと、昔は道がなかったから下から荷物を抱えて歩いたんだよーと、道にまつわる昔話で盛り上がる。

 友人が泊まりに来ていることはすぐ周り(集落のみんな)に見つかってしまう。そうすると、今日は〇〇ちゃんが遊びに来ているらしいよ、という情報はすぐに広がって、みんなで夕飯を食べる、ということになる。ジローさんとヨシコさん家の大きな掘りごたつにギュウギュウに入り込んで色んな話をする。時には深夜まで続くことも。

皆集まってご飯を食べる時は持ち寄ることもある。この日はターメリックを入れた生地で作った餃子。

 会が終わる頃、集落のみんなは「〇〇ちゃんゆっくりしていってね~。」なんて声をかけてくれるのだが、私が家主なのにおかしな声がけだなと思いつつ、これも環境や人間関係に垣根がないということなのだなーと微笑ましくもある。

プロフィール

社本真里

しゃもと・まり |  1990年代生まれ、愛知県出身。土木業を営む両親・祖父母のもとに生まれる。名古屋芸術大学卒業後、都内の木造の注文住宅を中心とした設計事務所に勤め、たまたま檜原村の案件担当になったことがきっかけで、翌年に移住。2018年に、山の上に小さな木の家を建てて住んでいる。現在は村内の林業会社に勤め、山の素材の販売や街と森をつなぐきっかけづくりに奮闘している。