TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#2】リングの歩き方

執筆:KONOSUKE TAKESHITA

2026年9月21日

今振り返ると青春を謳歌したとは言えない学生時代でした。部活に打ち込み、授業は真面目に受けて、それなりに優等生を気取ってはみたものの、恋愛というものにどこか夢見すぎていたんです。

所謂“こじらせ”というやつです。

こじらせるには理由が2つありました。ひとつはあだち充作品が大好きで、学生の恋愛=あだち充だと信じすぎていたこと。長くなるのでこれについてはまた機会があれば書こうと思います。

もう一つが『ノッティングヒルの恋人』に大変感銘を受けてしまったことでした。中学2年生の真っ只中で、家に帰ると映画ばっかり見てた私にとって、作品の中でもハリウッドスターとして燦然と輝くジュリア・ロバーツはあまりにも魅力的で、またそのジュリア・ロバーツ演じるアナに恋に落ちられるヒュー・グラントを羨ましく思いました。そして私は厨二病を発症します。

ヒュー・グラント演じるタッカーを羨ましく思うだけでなく、自分はタッカーなんだと思い込んでしまうことになりました。

大阪のジュリア・ロバーツとぶつかることを夢見ながらパックのオレンジジュースを毎日持ち歩き、iPod nanoでローナン・キーティングの『When you say nothing at all』を繰り返し聴きながら登校をしていました。

うっかり曲がり角でぶつかってしまうハプニングは一度もなく、いつも教室に着く頃には500mlを毎日飲み干してました。

そして現在、私は試合のためにロンドンに滞在しています。ふと思い立ってノッティングヒルに足を運ぶことにしました。

劇中登場する本屋さんは観光地として、The travel book co.の面影を残しながらのコテコテのお土産屋さんになっていました。まんまとトートバッグとマグネットを購入してご満悦です、私。

ガラケーの写メールくらいの画質のジュリア・ロバーツがプリントされたパーカーも欲しかったのですが、「I’m just a girl, standing in front of a boy, asking him to love her.」のフォントがあまりにもチープで納得がいかず買うことは断念しました。

それから聖地巡礼を兼ねてノッティングヒルを散歩すること1時間。スコーンが美味しいと有名なお店があると知り足を運びました。今になって思い返すとスコーンを口にするのは、中学2年生の家庭科の調理実習で作って以来。あの時食べた感想は、「なんやこのパサパサした食べ物は。」でしたが、今回は「これはこれでアリやな。でもやっぱりパサパサしてるな。」と。

念のために買っておいたオレンジジュースがここで活躍してくれました。

プロフィール

KONOSUKE TAKESHITA

こうのすけ・たけした|現役高校生レスラーとしてDDTプロレスリングで2012年8月デビュー。高校卒業後は日本体育大学へと進学、卒論のテーマは『ジャーマン・スープレックス』。2022年から米国の新進気鋭のプロレス団体「AEW」とも契約し、2団体所属に。2025年には日本最大のプロレス団体「新日本プロレス」とも契約を結び史上初の3団体所属選手となった。2025年8月には世界一過酷なリーグ戦と呼ばれる「G1 CLIMAX 35」で初優勝を果たし、10月には新日本プロレス最高峰の王座であるIWGP世界ヘビー級王座初戴冠も果たした。

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