カルチャー

机の上のサイエンス。Vol.52

エチオピアンオパール

2025年10月3日

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机の上のサイエンス。


photo: Akira Yamaguchi
text & edit: Shogo Kawabata 
2025年10月 942号初出

水の中で観賞する透明度の高いオパール。

少しの間、ボトルの外に出すくらいは問題ないが、完全に乾燥してしまうと割れてしまうこともある。純水や無水エタノールの中で管理すると、水質が劣化しづらく管理しやすい。¥15,000~(テンカワクリスタル @tenkawacrystal

 エチオピアは最新のオパールの産地。1994年に初めて発見され、2008年にウェロ州で大規模な鉱床が発見されて以来、世界の宝石市場で急速に注目を集めるようになった。それ以前はオーストラリア産が主流であったが、エチオピア産はまた独特の性質と美しさで新たな地位を築いている。このオパールの最大の特徴の一つが、高い水分含有率である。これによりガラスのような非常に高い透明度を誇る。そのため、標本として保存する際には、水を満たしたガラス瓶や透明な容器に浸して管理し、乾燥による亀裂や変質を防ぐことがある。ボトルの中で水に沈む宝石を観賞する、というユニークな標本だ。また、オパール特有の「遊色効果」も顕著で、透明な地色の中に、赤・緑・青・オレンジなどの輝きが虹のように浮かび上がる。これはオパール内部の微細なシリカ球が光を回折させることで生じる現象であり、見る角度や光源によって色彩が変化する。特に透明度の高いエチオピア産は、この遊色が立体的で奥行きを感じさせ、非常に魅力的だ。