カルチャー

来るべく春に向けて気持ちを整えるために読みたい3冊。

2月はこんな本を読もうかな。

2025年2月1日

text: Keisuke Kagiwada

『私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか』
ロジャー・コーマン、ジム・ジェローム(著) 石上三登志、菅野彰子(訳)

「B級映画の帝王」の異名を持つ、映画プロデューサーにして監督のロジャー・コーマン。2024年に逝去した彼の名著が、満を持して復刊。金にがめつい人ではあるが、彼がいなけりゃ60年代以降のハリウッドは全く違うものになっていたに違いない。若者よ、凡百のビジネス書は捨てて本書を読もう。¥2,200/早川書房

『ただ君に幸あらんことを』
ニシダ(著)

ラランドの活動では、スマートなサーヤとコントラストをなすように、クズ芸人としての魅力を発揮しまくるニシダだが、ソロの彼はひと味違う。そう思わずにはいられない小説集第二弾は、家族をめぐるふたつの物語を収録。いずれも繊細で味わい深く、又吉に続く芥川芸人も夢じゃない? ¥1,760/KADOKAWA

『PARIS The Memoir』
パリス・ヒルトン(著)、村井理子(訳)

パリス・ヒルトンとは何だったのか? 現在のUSポップカルチャーを考える上で、これは避けられない命題だ。なぜなら、彼女はまだその言葉がない時代に、ネポベイビーのインフルエンサーとしてその後に続く時代を先取りしていたのだから。こちらはそんな彼女が知られざる過去を告白した自伝。読むっきゃない。¥2,970/太田出版