カルチャー

5月はこんな本を読もうかな。

GW後半戦を刺激的に過ごすための4冊。

2023年5月1日

text: Keisuke Kagiwada

『ソングの哲学』
ボブ・ディラン (著) 、佐藤良明(訳)

つい先日、とんでもなく凄まじい日本公演を終えたばかりの“生ける伝説“ボブ・ディランが、『自伝』以来18年ぶりの著書を発表。スティーヴン・フォスターからエルヴィス・コステロまで66人のミュージシャンの楽曲の解説を通して、ポップソングの真髄に迫る。内容も表紙もヤバい! 岩波書店/¥4,180

『青山真治クロニクルズ』
樋口泰人(編)

2022年にこの世を去った青山真治監督。その試行錯誤の足跡を、生前に監督自身が残した言葉や、仲間たちの言葉からだどる凶器レベルに分厚い1冊。『共喰い』に出演して人生が変わったという菅田将暉くんのインタビューによれば、青山監督はロックスターみたいな人だったらしい。なんか納得。リトルモア/¥7,480

『賢人と奴隷とバカ』
酒井隆史(著)

刺激的なタイトルだけど、内容はいたって真面目。名著『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』の訳者としても知られる著者が、資本主義と知識人に管理・支配され、もはや満身創痍と言っていい現代をぶった斬る。こんな時代を生き延びたければ読むっきゃない。亜紀書房/¥2,970

『ロックの正体』
樫原辰郎(著)

「ロックとは何か?」なんて気にしたこともない人も多いだろう。しかし、本書はその問いに、進化心理学、認知科学、神経科学、人類学、霊長類学などなどバラエティ豊かな知見を応用して徹底考察する。答え以上に問いとの向き合い方に、学びが多い一冊だ。晶文社/¥2,200