カルチャー
3月はこんな本を読もうかな。
朗らかな陽気の中でさらさらと読みたい4冊。
2023年3月1日
text: Keisuke Kagiwada
『ブッカケゾンビ』
ジョー・ネッター(著) 風間賢二(訳)
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/02/ae0086b7a5f4150a5e8c6279022903e5.jpg)
エロ動画鑑賞をこよなく愛する妻子持ちの男が、憧れのポルノ女優が近所で撮影するとの情報を聞きつけ現場である墓場に行ったら、ゾンビの襲撃に遭遇し……と、あらすじを書いて思う、とんでもねー小説だ! しかし、ただの下品な三文小説と侮るなかれ、なんせ翻訳はかの風間賢二さんが手がけているのだから。タイトルに込められた意味は、知らぬが花でしょう。¥1,320/扶桑社
『うんこ文学 ――漏らす悲しみを知っている人のための17の物語』
頭木弘樹 (編)
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/02/dd650d1649cb9e9925de449e52734a77.jpg)
うんこをテーマにした文芸作品を集めたアンソロジーなんてけしからん! と思いつつページを繰ってみれば、尾辻克彦や山田風太郎がお漏らしの思い出を綴った痛快エッセイはあるは、筒井康隆大先生のコレラをめぐる不謹慎小説はあるはで、うんこはクリエイターを触発する重要なテーマなんだなと快便をかました後のような気分で読み終えることに。あー、すっきりした。¥880/筑摩書房
『永遠の映画大国 イタリア名画120年史』
古賀太(著)
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/02/5c03a6df591c00e00c36f6cb4621772f.jpg)
イタリア映画が歩んだ、19世紀から現代にまで至る120年の足跡を、約800の作品とともに通覧したのがこちら。イタリア映画なんてネオレアリズモの筆頭ロッセリーニとあと何人だけ知ってればよくね? とタカを括っていたが、それは大河ドラマのせいで幕末だけやけに詳しい奴と同じじゃん! と反省。こんなに豊かな世界が広がっていたなら、もっと早くしりたかったぜよ。¥1,100/集英社
『オルタナティブ』
永野(著)
![](https://popeyemagazine.jp/wp-content/uploads/2023/02/93474dff39cb6b7440c1f0c7b8e63f79.jpg)
芸人の永野さんが、ゴッホより普通にラッセンが好きということは風の噂で聞いていたが、まさか僕らと同じくオルタナティブなカルチャーも好きだったとは! てなことがわかるエッセイ集。取り上げられるネタは、BUCK-TICK、ニルヴァーナといった直球ロックから、『ダークナイト』やファレリー兄弟の映画まで多種多様だが、その選択眼の確かさにはギャフンと言わざるをえない。ギャフン!¥1,760/リットーミュージック
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